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ちゃんちゃん☆のショート創作
by ちゃんちゃん☆
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■茂保衛門様 快刀乱麻!(5)
※祝! 榊さんCDドラマ登場確実!!!!!!!!【喜】
 いやー、アニメイトでのっぺりが貰って来た機関誌に乗ってたCDドラマ情報見たら、ちゃんと坪井サンの名前が載ってるじゃああーりませんか! それもくわはらさん、石田彰さんの次の3番目! 快挙快挙v いくら何でも、犬神役で登場、ってことはないですよねえ?

 ・・・今回、序盤はちょびっと気色悪いです。お食事中の方は読まない方が良いかも・・・(汗)。
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茂保衛門様 快刀乱麻!(5)


「八丁堀、あんたよくあんな上役に仕えてられるな」
 なんて、失礼極まりないことを言ってる《龍閃組》を牽制しておいて。
 あたしは笹屋の奥へ、奥方にいざなわれて進んだ。
 そのうちたどり着いたのは、どこからか漢方薬の匂いが漂って来る部屋。何故か襖の脇に、行灯が置かれているのが目に付く。
 ・・・部屋の中に置かないで、どうしてここに? 歩くのに邪魔じゃないのかしら?
「主人の・・・久兵衛でございます」
 奥方に言われるまでもなく、そこが笹屋の主・久兵衛が寝かされている部屋だとピンと来たあたしは、襖が開けられるのももどかしく足を踏み入れる。
「・・・・・!」
 久兵衛の姿を一目見るなり、思わず体が後ずさりかけるが、そこは男としての意地と虚勢、何とか踏みとどまった。
 だって・・・そこにいたのは、生きながら地獄を味わっている、黒焦げの半死人だったもの。

 胸が上下しているから、生きているのはわかる。
 けどその目は、開いてはいるもののうつろで、口は唇が焼け爛れて歯茎が見えてる始末。顔だけ見てると、まるで骸骨みたいになってたわ。多分喉も、まともに言葉を発する事が出来ないくらいに、ヤラれてるわね。
 おまけに、洗いざらした白い布に隠された火傷だらけの肌が、わずかに蠢いているのが見えた。
 ・・・蛆、よ。
 まだ生きているって言うのに、産み付けた蝿は彼を死体と判断したんでしょうね。あちらこちらにぽつぽつと、蛆が湧いているのが見えたわ。

 ───あたしはこの、久兵衛って男は事件帳簿でしか詳しくは知らないけど。
 一体彼には、こんな目に遭わされるどんな理由が、あったというんだろう。
 生きながら火に焼かれ、何とか生き長らえながらもその身は、蛆に巣食われつつあるなんて・・・これを地獄絵、と言わなくて何と例えればいいの?

 あたしは何とか平静を装おうとしたけど、お化粧をしているわけじゃないから顔色の悪さは、誤魔化しようがなかったんでしょうね。
「・・・ちょうど十日前の夜でございます。この部屋にいた主人が、あのような事になったのは」
  奥方はそう言って、自分が部屋を出る事であたしも廊下へ戻るよう促してくれた。
 これ幸いとあたしが廊下へ出るとすぐさま、だけど静かに襖が閉められる。
「助けを呼ぶ声がいたしましたので、私がこちらへ来てみれば、主人は炎に包まれておりました。慌てて火を叩き消しましたものの、その間焼かれ続けていたため、あのような・・・あのような姿に・・・」
 脅えたような奥方の言葉を心の中で反芻していたら、そう言えば部屋の畳や壁の一部に、焼け焦げの後があった、ってことを思い出したわ。
 にしたって、言われないと気が付かなかったなんて、正直言って失態よね。いくら虚勢を張っていても、心の動揺は押さえようがなかった、良い証拠だわ。・・・ったく、自分ながら不甲斐ないったらありゃしない。
 そう言えば・・・今また思い出したけど、部屋の中にはいくつか、水が入ったタライが置かれていたわね。久兵衛の体を拭いたり、火傷した肌を冷やしてやるためにしては、1かたまりにしてなかったのは変よ、変。
 まあ、そのうちこの件に関しても聞き出せるでしょうけど。

「こちらへ来た、って言いましたけど、その時あなたは別室にいたと言う事なのですね?」
「さようでございます」
「・・・夜なのに?」
 仮にも夫婦ともなれば、その・・・ちょっと下世話な言い方だけど『夜の営み』とやらがあるんじゃないかしら? それともこの2人、そっちの方はとっくに枯れてたってこと?

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03月26日(火)
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