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ちゃんちゃん☆のショート創作
by ちゃんちゃん☆
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■毛利小五郎という人物(2) 名探偵■ナン
ここで問題になってくるのは、私の羞恥心。とは言え、ここでうまく演技出来ないことには、どうしようもないではないか。他言無用を徹底さえすれば、外に露見するのは防げるわけだし。
今だけ今だけ、と心の中で唱えつつ、私は毛利氏の良心に訴えかけることにした。
「あ、ありがとう、おじさん。それで、その・・・(目を潤ませて上目遣い)」
「分かってるって。入れ代わりがバレたことも、嬢ちゃんがあのクソガキに片思いしてることも、黙っててやるよ(頭なでなで)」
「・・・無理言ってごめんなさい。江戸川君に嫌われたくないの」
本来の私は、こんなキャラじゃないのに。言ってることと真逆な理由で、恥ずかしくなって来る。
何とか口裏を合わせ、黙ってもらうことにも了承してもらった私だけど。
その後数日間、毛利家にいる間ずっと、毛利氏からはとてもとても優しくも生ぬるい目で見守られたのは、言うまでもない。
・・・ちょっとだけ嬉しく感じたことは、誰にも言わない私だけの秘密だ。
そして、付け加えるならば。
「な、なあ、灰原。俺が留守してた間、何かあったのか? 気のせいかもしれないけど、おっちゃんが妙に冷たいように思えてさあ・・・」
「私は大人しく、風邪っぴきの患者として看病されてただけよ? 快適だったわー。
風邪が治った途端、事件現場へ突撃しようとした、あなたの自業自得じゃなくて?」
後日、私の悪あがきの擁護が、生憎空振りに終わってしまったらしいことを、工藤君の愚痴で知ったのだった。やれやれ。
■おしまい■
※なお、あとがきはぴくしぶの方だけ、にします」。ご了承ください。
06月13日(金)
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