ID:38841
ちゃんちゃん☆のショート創作
by ちゃんちゃん☆
[61298hit]

■旨味だけ奪おうだなんてそうはいかない【コ▲ン?】ブラックユーモア系
「当然、そんな非道なことをしてたら、陣営は荒れるわよね? 当然、戦力も戦意もダダ下がり。それで、その危機を察知した【時の政府】は、速攻そんなお馬鹿リーダーを更迭。疲弊した戦士たちを癒して、うまくやっていけそうな新しいリーダーを投入する、ってことになるわけ。
あくまでも、ファンフィクションの中では、の話よ?」

「・・・それって、最初からそういうリーダーを配備すれば良かった、って話にならない?」
「ミもフタもないこと言うわね、このクソガキは。圧倒的不利で実力本位に走ったから、人間性は度外視した、ってことなんじゃない? 
で、そこから新しいリーダーと戦士との、葛藤あり、反発ありの心の交流がうまれるわけ。ロマンよねえv」
「あくまでも、ファンフィクションの中では、の話、なんだよね?」
「まあまあ、コナンくん。園子は学校祭の劇の脚本手がけるぐらいに、そっち方面の想像力に長けてるみたいでさ」
「あー。そう言えばあったねー、そういうことー」
「学校祭の脚本、かあ。そっちもいつか読ませてよ」

「ですけど園子さん。それなら後手には回ったものの、【時の政府】の判断が功を奏した、ってことですよね? 鬼畜云々、ってのは、前のリーダーのことなんじゃ・・・」
「甘い。甘いわよ、安室さん。話はここでは終わらないの」
「へ?」

「新しいリーダ―がそこまで手を尽くして、何とか戦士たちの気持ちを癒し、陣営の戦力も無事持ち直したっていうのに!

あの【時の政府】ったら、難癖つけて陣営を取り上げた挙句、新しいリーダーに無実の罪をなすりつけて処刑しようとするの!

 その理由も、新しいリーダーが無能だってならともかくも! 
【時の政府】お偉方のバカ息子に跡を継がせたいがため、だったりするのよ!

あくまでも、ファンフィクションの中では、の話、だけどさ」

「うーわー・・・」
「た、確かに」
「それは鬼畜、としか・・・」

「そこからが更に、盛り上がるんだけどね。自分たちが慕うリーダーを取り上げられた戦士たちは一致団結し、【時の政府】に喧嘩売って、リーダーを取り戻そう、って算段よ」
「なるほどー。盛り上がらない、って方が嘘よね」
「まあ・・・そこに至るエッセンスとは言え、リーダーが【時の政府】に心身とも虐げられてさあ。
『自分は所詮一人なんだ』みたいに落ち込んで、ただただ死を待つ、ってクダリがあるのよ。そこの描写がものすごく巧みだからこそ、【時の政府】許すまじ! みたいな気持になっちゃった、ってワケ。分かった?」

「たかだかファンフィクションで、そこまで入れ込めるってのもすごいね、園子姉ちゃん」
「感受性が高い、って言いなさいよ」
「でも、まあ、所詮は架空の世界の架空の物語、ですよね」
「そうでもないんじゃありませんか? 結構そういうこと、現実世界でもありそうですし」
「・・・梓さん?」

「私は幸い、そういう目には遭いませんでしたけどー。大学とかで、ものすごく面倒で手間のかかる作業を生徒に押し付けておきながら、あたかも『自分で全部やりました!』みたいな顔をする先生とか、いるって聞きますよ? しかも、落ち度があると、全部生徒のせいにするとか」
「ええーー!?」
「許せないわね、そんな先生」
「要するに、人に面倒くさいことを押し付けておいて、美味しいところは自分が持っていく、ってこと?」
「そうみたいね。蘭さんやコナンくんは、そういう目には遭ったことないみたいで、良かったわ」

「んー。僕は確かに、直接は被害には遭ってないんだけどさあ」
「コナンくん?」
「聞いた話だと、その人が一番大変だった時に、碌に話を聞かなくて、助けてもくれなくて。何とかちょびっと非合法ギリギリな手段も使って、何とか自分の立ち位置、っていうか、居場所を作って何とかやってる人がいるんだけどね」
「ちょびっと非合法ギリギリ、って・・・」
「なのに今になって、

『君のやっていることは違法だから、捕まりたくなかったらこちらの言うことを聞け』

なーんて、上から目線で命令しようとして来る人間がいて、辟易している、って聞いたことならあるなあ」

[5]続きを読む

07月27日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る