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ちゃんちゃん☆のショート創作
by ちゃんちゃん☆
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■みんなでごはんを食べようか 後編【鳴門】
「あたしもー。お水もらいますね」
「俺もいい。テンテン、俺にも水をくれ」
「はいはいー」
弟子たちのやり取りに微笑ましさを覚えつつも、ガイはカカシの皿と共に台所へと消える。
それを見計らって、今度はテンテンが小声でカカシに声をかけた。
「あの、カカシ先生、さっき不義理、って言われましたよね? それってどういう意味なんですか?」
ちなみに、普通『不義理』というと、借金を踏み倒すことをさす、事もある。が、今のリーたちの歳にはとっくに上忍になっていたはずのカカシに、それはありえないだろう。色々な意味で。
カカシはしばしためらった後、何故かネジをチラリ、と見てから話し始めた。
「よくある話だよ。俺はその頃、既に上忍で、マイト親子は下忍だった。だから立場が色々とややこしくてね。ガイの親父さんはそんなことは気にしてない風だったけど、口さのない連中は当時、結構いたんだ」
今でもそう言う奴らって、どこにでもいるけどさ、と、カカシは疲れたような口調になる。
「・・・特に俺は、自分の両親に先立たれていたから、ソッチ方面の情に訴えて便宜を働かせようとしてるんじゃないかー、なんてね、無責任なことを噂してくれたワケ。
だからガイも、俺を親父さんとの夕食に誘ってくれたの、1回だけだったよ。よっぽどひどいコト言われたんじゃないのかな」
あの、押しが強くて遠慮を知らない風のガイが、だよ? と半分おどけながら、カカシの話は続く。
「ま、俺としてもそれで助かった、って思った時期もあるけどね」
「! どうして?」
「だから俺、両親亡くしてるデショ? だから、仲良し親子を見てると、ケッコー辛かったのよ」
───馬鹿なことしてたなあ、あの頃の俺って。
珍しく自嘲気味につぶやくカカシに、ここで辛らつなことを言えるのは一人しかいない。
「お前が馬鹿なのは、いつものことだろうが」
ガイがカレーのお代わりを持って、カカシの向かい側へ座り込んだ。
「・・・ひどいね、何も本人の前で、直接言うことないデショ」
「俺は陰口は好かん。だから、本人に直接ぶつけられないことは口にせん、と決めとるんだ。逆にぶつけられるモンは、遠慮なくぶつけるしな。今みたいに。
もっとも・・・言いたくても言っちゃまずいこと、なんざ、世の中には山ほどあるが。
その辺を分かってない奴らが、今も昔も多くて困る、全く」
「そ、だね。今も昔も、ね」
思い当たる節がありまくりのカカシは、少し肩をすくめたきり食事に専念した。
「気にするな。お前が来なかったおかげで、取り分が増えたって喜んでいた奴もいるんだ。給料日前のエビスとか、ゲンマとかがな」
「・・・出たよ、ポジティブ発言」
「え? ゲンマって、中忍試験の時審判してた、あの男か? 何であいつがガイのところに?」
「それにエビスって人も、確か木ノ葉丸くんの担当上忍してるあの人よね? ガイ先生、知り合いなの?」
「ガイ先生って、交流関係が広いんですねー」
思いもよらない人名が飛び出し、ネジたちが再び混乱するのを目の当たりにしたカカシは、口の中のものを全部飲み込んでから、解説してやる。
「ゲンマもエビス先生も、ガイの元マンセル仲間だよ」
「・・・つまり、今のあたしたちみたいな関係、ってことですか?」
「ああ、なるほど」
「それにしては、随分タイプが違いますよね・・・とっても個性的、って言うか」
「リー、あんたが言わないで」
「リー、お前が言うな」
「ええーーーーー!?」
「テンテン、ネジ、お前らも人のことは言えんと思うぞ?」
「ガイ、その言葉、そのまんまお前に返したいよ」
「何をぅ?」
類は友を呼ぶ、だったか?
それともこれは、人のフリ見て我がフリ直せ・・・はどこか違うか。
失笑を禁じえないまま、ネジは目の前の喧騒を何となく眺めていたのだが、不意に目が、カカシと合う。
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08月03日(日)
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