ID:38841
ちゃんちゃん☆のショート創作
by ちゃんちゃん☆
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■小金持ちも苦労する(モン○ーターン)
 蒲生が呆れ顔で発した言葉も、だが勝木以外のメンバーには聞こえなかったらしい。

 何故なら。
 彼らは若気の至りでふと、キラキラとした想像をめぐらしてしまったのである。

 青く美しく輝く海のそば。
 おしゃれなプール付きホテルが、もし自分たちのペラ小屋(←この辺が職業病☆)になったら。
 下げ膳据え膳のリゾート気分で、ペラ作りに励めるではないか。イヤ、そうカロリーのある料理は楽しめないが、GFでも呼んだらきっと、ムード満点だろうなあ・・・。


 が、現実は残酷であり、叶わない甘い夢を見ただけ、ダメージは当然デカい。

「おい、今度の休みいっそのこと、海外旅行行こうぜっ!!」
「おうっ! 男同士で潤いないけど、彼女探しのために同行してやるぜい!」
「うう・・・今度奮発して、彼女リゾートホテルに連れて行ってやろうかな」
「お〜いお前ら〜、ペラ作りはどないしたんじゃ〜」

 皆して遠くの方へ行ってしまった後輩と、彼らを心配する蒲生をよそに。
 勝木はいつものごとく無言のまま、ペラ作りに専念するのであった。

***************

「・・・・・で? 私にどうしろ、って言うんだい??」

 後日。
 たまたま蒲生が斡旋されていなかったG1にて、勝木と同じペラグループの1人は、勝木を無理やり同行させた上で榎木の元へはせ参じた。

「だから。もし蒲生さんがまだホテルの落札諦めてなかったら、頼むから止めてくださいっ。たのんます! 榎木さんぐらいしか、蒲生さん窘められる人って、考え付かないもんで!!」
「また、何でそんなことを・・・」
「だって、手の届くところにホテルリゾートがあるって思ったら、つい想像してしまうんですよっ! 海の近くのペラ小屋、ってヤツをっ!!」
「でも、蒲生さんはあくまでもサーフィンの拠点に、って思ってるんだろ? プライベートに関しては、私がとやかく言える立場じゃないよ。仮にも私の方が、後輩なんだし」
「そんなあああっ! 榎木さんだけが頼りなんですぅううう!」

 困った顔で榎木が勝木を見れば。
 どちらかと言えば、先輩たちの度を過ぎた妄想の方に辟易している、と言った感の勝木が、深々と頭を下げる。

 手の届くところに欲するものがある、ということの残酷さを、榎木は他人事ながら苦笑とともに、思いやらずにはいられないのであった。

 ちなみに。

「私も実は、あの物件興味あったんだけどね・・・。蒲生さん家に直接訪ねていくより、中間点のあそこの方がお互い移動が楽だから。
・・・言わぬが花、だな」

《おしまい》

*************

※最後がちょびっと、や○い風になったかもしれないですが、ご了承ください。
 ちなみに、物件落札に反対する後輩の、蒲生さんへのツッコミは、実はニュース見た直後にちゃんちゃん☆ が思ったことそのまんま、だったりします。
 ただちに、脳内の蒲生さんに、ツッコみ返されましたけどね★

「フェリーでしか行けない→船舶免許持ってるんだから何とでもなる」
「お金がかかる→ワシはSG2つとっとるもんv」

 ・・・なんちゅーか、ここまで想像力があると、半分病気ですな、こりゃ。

05月17日(木)
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