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衛澤のどーでもよさげ。
by 衛澤 創
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■夏は夜、そしてカレー。
清少納言女史はエッセイの中で「夏は夜」と言い切った。確かに夏の趣きは夜にこそ、とは私も思う。そして夏を過ごす活力を生み出すのはカレーだ、とも私は思っている。
カレーの香り。夏の暑さや湿度にくたびれた身体がともすれば失いがちな食欲を、鮮やかに刺激する。食すれば胃腸も調う。具材を工夫すれば栄養のバランスも巧い具合いに取ることができる。夏こそカレーと言うべきではないだろうか。
しかし、市販のルウを使うカレーは、胃もたれや胸焼けを引き起こすことがある。何故か。小麦粉と油脂分が沢山含まれているからだ。
そこで、ルウを使わないカレーをつくってみる。欧米を経由しない、中東方面風のカレーを試みる訳である。鶏などで出汁を取り、そこに好みの具材を入れ、好みの香辛料で味を調える。今回はターメリック、クローブ、オールスパイス、コリアンダー、バジル、ガーリック、ジンジャー、パセリなどを使ってみた。あまり深く考えずに思いついた香辛料だけを入れてみたのだが、きちんとカレーの香りと味になっている。テキトーでよろしい。
香辛料は片仮名で書くと調味料にしか思えないかもしれないが、漢字を使う別名を持っているものが多い。ターメリックは鬱金、クローブは丁字、コリアンダーは香菜。ガーリックとジンジャーは言うまでもなく大蒜と生姜。何れも漢方薬の原料となるものである。胃腸その他の内臓の調子を整えてくれる。
香りがおいしい、食しておいしい、身体においしい。調理は簡単、肉も野菜も豆も米も一度に食すことができて、摂取する栄養や熱量も調節可能なカレーは理想の料理と言っていいのではないか。
ルウを使わないカレーは比較的胃にやさしい。小麦粉を使わないためとろみがつきづらく、米飯にかけて食すには多少不向きではある。しかし、トマトや豆類を入れることで幾らかのとろみをつけることはできるし、汁物として捉えることを選択肢のひとつとしてみるものよさそうだ。
ただ、具材に鶏もも肉を使う場合は、余分な脂身は徹底的に取り除いてからにするべきだ。胸肉のように脂がほとんどないのは煮物としてつまらないが、煮汁の表面に脂の球がプカプカ浮いているのはよろしくないと私は思う。
さっぱりカレーで夏も元気に。やはり旬の野菜を使うのがより旨いのではないかな。
【今日の名と実】
数年振りにペ○シコーラを飲む。原材料名に「安息香酸Na」という何とも心落ち着きそうな名前のものが入っているが、実は防腐剤。
07月05日(水)
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