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衛澤のどーでもよさげ。
by 衛澤 創
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■当たり!
毎年いまくらいの時期に我が街の港には海上自衛隊の護衛艦が広報のためにやってきます。民間の応募者の中から抽選で「体験航海」というかたちで乗艦させても貰えます。でも応募して当選しないと洋上を走る護衛艦には民間人は乗せて貰えません。ぼくは毎年応募してまだ乗艦させて貰ったことがありませんでした。
しかし今年は!
何と!
乗艦券が当たりました!
という訳で本日、和歌山南港にて実施されました護衛艦「せとゆき」体験航海に行って参りました。実習でしか乗ったことがなかったので新鮮な体験でした。

DD131番艦護衛艦「せとゆき」は「はつゆき」型10番艦。基準排水量3050トン、全長130メートル、ガスタービンエンジン45000馬力、最高速度30ノット。兵装は62口径76ミリ速射砲、20ミリ機関砲、短SAM(シースパロー)、ハープーン対艦ロケット、アスロック対潜ランチャー、3連装短魚雷。
上の写真は出港時刻を待つ「せとゆき」右舷。

停泊中の一般見学だと甲板上の兵装はほんとうに「見るだけ」ですが、航海中の艦上では兵装を稼働させるデモンストレーションを見せて貰うことができます。
上図はアスロック(ASROC=Anti-Submarine Rocket)発射装置稼働の図。全8門中2門ずつ仰角を変えることができます。旋回角は左右270度。アスロックは対潜弾、つまり潜水艦を攻撃するためのミサイルです。何故仰角が必要かと言うと、水面下にいる潜水艦を直射することはできないので仰角を付けて上空へ打ち上げて、目標艦の直上に放物線を描いて落下させるためです。
大きな兵装がぐるんぐるん動くさまは大変ダイナミックであります。

一般見学ではあまり体験の機会がないことに「艦内設備の使用」があります。上図は艦内トイレの水洗バルブ。陸上の一般的なトイレとは違ってバルブを捻って開けることで海水を流します。
上図のバルブ横には「海水を30秒以上流すこと」という注意書きが貼られています。便器は陸上の洋式(座式)便器と同じです。

港を出た「せとゆき」は和歌山港沖を旋回して港に戻ります。そのときのウェーキ(航跡)が上図(右舷から)。こんなに急角度のウェーキは旅客船ではなかなか見られません。
全長130メートルもの大きな艦が急旋回する様子は、港側から見ていてもきっと迫力があったでしょう。右旋回すると左舷に傾きます。ローリング(横揺れ)が大きくなるのでここで船酔いして気分が悪くなってしまった人が多かったようです。

これは入港時の「せとゆき」から見た停泊中の同型僚艦「やまゆき」。同じ「はつゆき」型の艦です。「せとゆき」の外観もこの「やまゆき」とほぼ同じです。
当日の和歌山港には陸上自衛隊の装備品も展示されていまして、信太山駐屯地から82式指揮通信車、軽装甲機動車などが、県下美浜町第304水際障害中隊からは94式水際地雷敷設装置などが来ていました。下の写真はそのうちのひとつ、対空誘導弾HAWK(Homing All the Way Killer)です。これに跨って写真を撮りたい人続出。

前日からの雨で洋上の具合いが心配されましたがさほど荒れず、夜明けまで続いた雨も出港時にはやんで、約90分と短時間ではありますが快適な航海でした。艦上では見るもの体験するものに興奮していて感じませんでしたが、潮風というものは本人が思っている以上に体力を奪います。上陸して一ト息つく頃にどっと疲れが出てきました。
帰宅してふと見てみれば半袖から出ていた腕に白く塩が浮いていました。侮るまじ潮風。
それにしても護衛艦は何遍見ても恰好いいです。今年は3年に1度の観艦式の年ですし、横須賀まで見に行こうかという気にもなっています。
【今日の夏が来た】
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06月18日(日)
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