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衛澤のどーでもよさげ。
by 衛澤 創
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■本望だ。
「よく考えてみると僕たちの曲には御誕生日を御祝いする歌がないので、つくってみました」とのイナバ兄貴のコメント。兄貴が「今日、誕生日の人」と片手を挙げて客席を見渡すと「はーい、今日誕生日!」と挙手する乙女たちが何と沢山沢山いることいること。今年だけ9月18日が誕生日になった人も多数。
「それじゃ、今日が誕生日の人のために。今日誕生日じゃない人も赤の他人のために御祝いできる広い心を持って、一緒に歌いましょう」とやっぱり先生口調で導かれ、55000人大合唱。とてもかわいい詩の、歌いやすく憶えやすい曲です。「Wonderful Opportunity」や「恋心(KOI-GOKORO)」に続く観客参加型の定番曲になるといいな。
「love me, I love you」以降はノンストップ。どんどんはげしい曲になっていくので昂奮も最高潮に達します。ここで特筆すべきは「juice」ですよね。これはきっと語り種になると思うのですよ。
えー、あのですね。
これまで何回か「ステージが回転する」と書きましたよね。その回転速度は、一定ではないのですよ。曲のテンポや演出に合わせて変わるのです。で、「juice」。……尋常でない速度でまわります。どれくらい速いかというと、ステージ上に立てている旗(かなり大きい)がたなびくくらい。ここは笑うところですよね。……ね?
曲に対しては勿論ノリノリなのですが、ステージに対しては「そんなに猛烈にまわらんでええやろ」と突っ込まずにはいられません。この回転体上に立っていたのはイナバ兄貴だけだったのですが、よく立っていられるものだと思いました。立っているだけでなく、確かな歌唱もします。これがプロかと、笑いながらも惜しみなく賞賛の拍手を贈りましたよワタクシ。
あんな猛速度の回転体の上に、捕まるものがあったとしても、ぼくならきっと立っていられないと思います。くるくるくるくるまわりながらも声がびびることも息が切れることも歌い損じることもないイナバ兄貴。素敵だ。「IN THE LIFE」(94年)のときは自力で回転して目をまわしていたのに(しかもその様子がライヴビデオに収録されてしまっている←蒸し返してやるなよ)。
ラスト曲「愛のバクダン」で、客席上に浮いている機雷の正体が明かされます。演奏中に飛行船が2機現れて、観客の頭上を旋回して、機雷に次々と体当たりしてゆきます。すると機雷が破裂して中から「愛のバクダン」(ハート形の風船)が沢山、紙吹雪とともに飛び出して、観客の許に落っこちてゆくのです。勿論、このときは客電が点いています。
ステージや飛行船の行方を見るとともに、このときぼくは客席も見まわしてみました。眼に入るどの顔もどの顔も、例外なくとてもうれしそうな満面の笑顔で、きっと55000人のみんなが笑っていたのだと思います。ぼくはその笑顔のひとつひとつがとてもうれしくて、こんな場にぼくを招いてくれたステージ上の彼等に感謝せずにはいられませんでした。何度も何度も「有難う」を言ってくれたけれど、ぼくたちはお金を支払った上で時間を割いてここに来ているのだけれど、それでもほんとうに心から有難う。そういう気持ちになりました。
アンコール待ちの間は恒例のウェーブ。手拍子よりもウェーブ。アリーナ席とスタンド席では別々にウェーブが発生して順序よくまわっていくのだけど、スタンド席のウェーブは些か不調で途中でたびたび消えたりしていました。
そこで、ぼくがすわっていた席の周辺の人が「つくりましょう!」と団結。見知らぬ人同志が数十人単位で気持ちを合わせて一斉に身体を動かします。こういうのもライヴの醍醐味ですよね。
アンコールは「OCEAN」でコーラスのうつくしさを堪能した後に、拳を振り上げる曲が2曲続きます。思いきり諸手を挙げて、高く拳を突き上げて、完全燃焼。大満足です。
終演後、ぼく等の後ろの席にいた若いお嬢さんが「B'zって元気なおじさんたちだね」と言っているのが聞こえました。
ほんまやね。
でも、「ただの」元気なおじさんじゃないんだと、ぼくは思います。無駄な年の取り方を決してしていない、素敵に年令と経験を重ねた、尊敬できる大人ですよ。だから姿もうつくしいんだろうな。うん。飾り立てたうつくしさじゃなくて、内面から滲み出るうつくしさ。
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09月19日(月)
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