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衛澤のどーでもよさげ。
by 衛澤 創
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■ぎゃぼーっ!(撮影その1)
ステージ上ののだめが観客席の方を見て、観客席の千秋センパイがのだめを見つめて、という場面で、お互いを捉えていなければならない芝居のとき。カメラは千秋役玉木さんだけを捉えるのですが、彼の視線を定めるために映らないけれどのだめ役樹里嬢がステージ上にいます。
樹里嬢「でも、ここから(玉木さんの)顔、見えませんよ」
監督氏「そっち(玉木さん)からはこっち(樹里嬢)の顔、見えてる?」
玉木さん「照り返しで見えません」
お互い見えてない。通じ合っちゃう場面なのに。とほほと思いつつも、その低い声に萌え。
玉木さんからはステージ上に置かれた照明やレフ版や、ピアノに映り込んだ照明光のために樹里嬢の顔が見えなかったらしいので、対策としてピアノ用の椅子を一旦よけて、機材の下駄やスタッフの踏み台として使われているらしい木箱に監督氏が自分の上着を被せたものに樹里嬢をすわらせて少しだけ顔の位置をずらして見えるようにする、ということをしていました。

撮影と撮影の合間にピアノ前に腰掛けた樹里嬢が観客席のエキストラ一同に質問。
「原作読んでる人〜」
観客席で一斉に挙手するエキストラ。
「ドラマ見てる人〜」
原作読んでる人よりも沢山挙がる腕。腕。腕。観客席でスタンバイ中の玉木さんも挙手。一同笑。
「どっちも手を挙げた人〜」
「どっちも手を挙げなかった人〜」
と続けて質問する樹里嬢。この質問の仕方だと「手を挙げられない人」がいないことになるんですよね。喋り方と言い気のまわし方と言い、幼稚園の先生志望ののだめと被って微笑ましい(*´ー`)。
更に続けてスタッフ氏「一昨日(テレビ放送された映画版)NANAを見た人〜」
この「NANA」が放送された枠というのが「のだめ」放送枠の丁度裏だったのですね。しかしそこで。
「あっ、いま玉木が手を挙げました!」
うれしそうにのだめ口調で指摘する樹里嬢。スタッフと役者が仲がよく、いい雰囲気で撮影が進められているのがよく判る一場面でした。

ステージ上で演奏するのだめ、その演奏を見ている観客とを概ね一緒に撮ってしまいます。ステージの奥からのだめ越しに観客席を見る位置にカメラが設置される画面なので観客のリアクションも概ねここで。ショパンが終わってぐったりしたままなかなか次の曲を弾きはじめないのだめを訝ってざわつく様子や、ぐだぐだショパンとは一変して名演奏となるドビュッシーに心地よく聴き入ってしまう様子などの芝居が要求されます。
忘れてはいけない、勘違いしてはいけないことは、前説でスタッフ氏も仰っていましたが、我々エキストラはその他大勢役ではありますが必要とされて役者として現場にいるのであって、撮影見学に来ているのではないということ。指示・指導をきちんと聞いて芝居を実践しなければなりません。
ざわつく内容などは即興です。具体的には提示されないのでエキストラ一人一人がその場で考えて口に出します。「ざわざわしてください」という指示は出ますが同時に「ざわざわって言わないでください」という注意もわざわざあります。

演奏中ののだめを捉えるステージ上からの視点を撮り終えると、今度は観客席にいるハリセン江藤と千秋センパイのそれぞれの表情を撮ります。先に撮った「ざわざわ」や「心地いい」の途中の場面なので、エキストラはそれぞれの場面に合わせてやはり同じ芝居を要求されます。ざわつく声の素材は既に撮り終えているので「口パクでざわざわしてください」という場合もあります。のだめが演奏を終えた後の拍手も「音を出さない拍手」が必要な場合もありました。
「ざわざわ」や「拍手」、それからのだめ演奏後の「喝采」は我々エキストラがそれぞれに出した声が素材になっているので、私が画面に映っている確率は著しく低いですが声はほぼ確実に入っているはずです。第一〇話エンドロールにクレジットされる「全国ののだめファンのみなさん」には私も含まれております。ハイ。


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12月13日(水)
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