ID:38229
衛澤のどーでもよさげ。
by 衛澤 創
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■観た…。
後半はタイムアタックの御話になってしまった訳ですが、「目標の航空機が飛び立つまで残り二分」の段階でまだ潜水していては、どう考えても「浮上して主砲にて目標を砲撃」しようとしても間に合わないでしょう。幾ら浅瀬からアップトリム一杯バラスト全ブローでも、浮上して艦が水平になる(主砲の照準儀がまともに使えるようになる)までに三分は掛かってしまうでしょう。
で、当初テニアンへ赴く理由って「原爆搭載機を飛べなくするために発進時刻までに飛行管制塔に打撃を与える」というものではありませんでしたっけ?
結局アップトリム一杯で浮上して艦が落ち着かないうちに主砲を回頭して飛び立ってしまった原爆搭載機を撃墜するんだけども、そんなことしたらその海域周辺が被爆してしまわないか? 原爆積んでんのよ? 東京さえ被爆しなかったらそれでよかったのか? 何だかなあ。

それより何より最も大きなツッコミどころは、折笠一等兵曹とパウラを乗せたN式潜航艇を、伊507艦長絹見少佐が「生きろ」とか崇高なメッセージを発しつつ、洋上駆逐艦がうようよいる海域で伊号から切り離してしまうところな。
「これ以上戦闘に関わる必要はない、安全な海域へ逃がれろ」という意味だったのだとは思うけれど、満足な推進システムが搭載されているのか否かも怪しい小さな丸腰潜航艇を戦闘真っ只中の海域に放り出すなんて「生きろ」どころか見殺しですよあなた。
思わず「艦長ひでえ!」と叫びそうになりましたよ私は。

物語の語り手が折笠になったり、米兵になったり、終盤で突然出てきたルポライターになったり、視点がばらばらで何を主体に観たらいいのか判りづらいぞ。物語を読み解くことになれていない人にはこの話を理解するのは難しいと思う。原作も視点が沢山あって読むのが大変だと思ったけれど、原作の場合は「視点の移動」があるのであって、映画は「視点の揺れ」がある。似ているようで、全然違う。
これは脚本家の腕が、その脚本のチェック機構が甘かったとしか言いようがないのではないだろうか。幾ら「あの」フジテレビ制作とはいえあんまりと言えばあんまりではありませんか。

「ひでえよ、このオチ」などと文句を言いつつ帰宅したら午前三時。約一〇年振りの「B'zのオールナイト・ニッポン」が丁度終わった時間で何だか踏んだり蹴ったり叩いたり、て感じで憤慨中。

取り敢えず、同じ福井晴敏氏原作の「亡国のイージス」や「戦国自衛隊1549」も観たいなとは思っています。「亡国のイージス」は海自175番艦つまり「みょうこう」が主なロケーション地になっていて、それだけでもおもしろそうだし、「戦国自衛隊1549」は回転翼機の揺動の仕方が銀幕で観ていて気持ちがよかった(劇場用予告編を観た)。

でも、昨日観に行って一番おもしろかったのは予告上映にくっついて流れた米国版「Shall we ダンス?」の前売券購入特典告知で見た「踊るリチャード・ギアがふわふわ上下するボールペン」な。一番笑えたよ。


【今日の大ピンチ】
あと二週間を二〇〇〇円で乗り切らなくては……!

03月20日(日)
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