ID:38229
衛澤のどーでもよさげ。
by 衛澤 創
[134295hit]

■ろーりんすとん。
第一印象で一番好きだと過日申しました黒髪短髪眼鏡のインテリ少年は、それはもうヴィジュアル面からです・ます文体の話し言葉から地味さ加減から何から何まで私のヲ心を掴んで離さないということは本編を見る前も見ているいまも変わりはありません。一五年くらい前までの私なら文句なしに彼が一番好きだったでしょう。主役メカ搭乗時よりも基地内でオペレータをしているときの方がしっくりくる地味さも大好きです。いっそずっとオペレータやってろよと思うくらい。実はオペレータってロボットアニメーションでは主人公の次くらいに台詞が多いんですけどね。
ほかのエレメントたちも「こいつはちょっと……」というキャラクタがいなくて、設定よりもキャラクタで物語を引っぱっていくタイプの作品で、ライトノベル世代には受けがいいのだろうなという印象を、私はこの作品に持っています。その分、SF成分が少なめになってしまうのでSFファンにはもの足りないかもしれませんね。

この作品には、名言が多数登場します。アクエリオン運用部隊の司令官不動が毎話一ツ以上格言めいたことを言うほかに、各話の主軸となるキャラクタが事件を通して懊悩を克服するときに口にする言葉は笑えるようで核心を突いたものが多いのです。
中でも第一一話で麗花という不幸体質少女が発する「どうせ逃がれられないなら、この不幸、とことん窮めてみせる!」、「思い知れ、不幸のどん底!」は名言中の名言ではないかと思っています。このエピソードはおじさんちょっと涙ぐんじゃったな。「自分だけが不幸だなんて思うなよ」的な台詞は多くの作品でいろいろな人物が言っているでしょうが、麗花の不幸レベルが並大抵ではないことと「不幸」という「負」を「窮める」ことで「正」のエネルギーに変換してしまうこととが相まって、他に見られない魅力を生み出しています。
第一五話の「誰かに支えて貰うためには先ずすべきことがある、それは倒れきることだ、倒れきらねば支えて貰うことはできぬ」という意味の不動司令の台詞は常々私が考えていることと重なって深々頷きました。

第一六話からオープニング曲が変わり、いよいよ後半戦です。第一話でいなくなったきりの彼が再登場の予感。「ボケ姫」「野良犬」と呼び合うツンデレカップルの行方、異端であることの発覚を怖れる兄妹の運命、一万二千年の過去と現在、現在と来るべき未来との関わりが気になるところです。
もうストリーミングで見ている場合じゃないな、とか、DVDが全巻発売されているのにどうしてDVD-BOXがないのだろう、とか、DVD-BOXを見つけたと思ったらパッケージに書かれているのがタイ文字でやっばいやっばい、とか、いろんなことを考えつつ、きっと近日中に最終話まで見終えると思います。

あんまりおもしろいとサブストーリイとか構成したくなっちゃうんだよねえ。本業と工程は同じなんだけど、先ず本業に励みませんとね。
「永遠」は信用ならないけれど、「一億と二千年」にはほのかな信憑性を感じる不思議を思いつつ、本日はここまで。


【今日のちょっぴり憂鬱】
靴下を履かなければならない季節がやってきた……。

11月01日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る