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衛澤のどーでもよさげ。
by 衛澤 創
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■横浜(街篇)。
観艦式のついでに街を歩いてみよう、と日没後の日程はほんとうに「おまけ」くらいに考えていたのだが、実際には昼も夜も同じくらい重要かつ有意義な時間となった。

待ち合わせは横浜駅改札口前で、現れた桜井さんはほっそりとして、可憐な人だった。どれくらい可憐かと言うと、御姿を拝見した途端に「可憐だ」と小声で呟いてしまったほどだ。土産ものを買うのに付き合って頂いた後、地下街で食事を御一緒することに。
地図を見ながら「何が食べたいですか」と訊ねてくだすったので、ぼくは「中華がいい」とお答えした。観艦式予行を終えた艦が入港するときに、街から中華料理の旨そうな匂いが押し寄せてきてぼくの胃袋を鳴らしたからだ。では、と地図を見つつ店に向かったのだが、暫く地下街を徘徊することになった。
ぼくも桜井さんも、二人揃って地図を見ながらでも迷ってしまう方向音痴だった。

何とか無事に辿り着いた店はラーメンと餃子の店。席に着いたところで名刺交換。シンプルかつかわいらしいデザインの御名刺を頂いた。白い紙面にピンク色の桜の花が流れるように散っている。その優雅さは「桜井弓月」という御名前に似合っているし、御本人にもよく似合っている。
それから、横浜の街について簡単な質問などさせて頂くことから、話をはじめる。桜井さんはほんわかとした喋り方をなさる人で、暴走しがちなぼくの話をにこにこしながら聞いてくれて、上手に相槌を打ち、笑ってほしいところで笑ってくださる。はじめて会う人と話すときにはぼくはひどく緊張しがちなのだが、桜井さんは他人を緊張させない雰囲気を漂わせていて、ぼくははじめて話す気がしなかった。

これと言ったテーマを決めることもなく、ラーメンと炒飯のセットをずるずるがつがつやりながら、思いつくままにぼくは喋った。相手によっては話題の取り方やネタの混ぜ方で怒られたり厭がられたりすることもあるので、ぼくはときどき「こんなことを話していいのかな」と訊ねたが、すべておおらかに許してくだすった。些末なことにこだわらない人らしい。とても有難い。
街の話、観艦式の話、仕事の話、家族の話、漫画の話、Jの人(笑)の話、どんな種類の話題にも、たとえヲタクっぽい話にでも食いついてくれるし、聞くばかりでなく突っ込みも入れてくれるしいろいろと話題を提供してもくださるので、話してとても気分がよかった。一〇歳ほど年令が違うので話が合わなかったらどうしようかと思ったりもしたが、杞憂だった。お会いできてよかったと、ほんとうに思った。

店内にぼく等以外の客がいなくなるまで話した。二時間ほどだっただろうか。桜井さんに許された時間一杯まで話し込んでしまい、それにぎりぎりで気付いたぼくがそれを告げると、桜井さんは「あっと言う間ですね」と仰った。うれしかった。二時間と言えば映画一本が見られる時間だ。その長い時間を短く感じて頂けたということは、ぼくと話すことを愉しんで頂けたということだと思っていいのではないだろうか。よかった。ほんとうによかった。
遅くまでお引き留めしてはいけないので、話はそこまで。店を出ましょうというところで桜井さんは何と兼ねて御用意の御土産を手渡してくだすった。何ということでしょう。お休みの日にお付き合いくだすった上に御土産まで。御世話になりっ放しだ。
重ね重ね有難うございます。頂いた横浜銘菓、おいしく頂きました。少しずつ喰えばいいのに一日で喰ってしまった。だってほんとに旨かったんだ。

横浜に行ってよかった。ほんとうにそう思う。まだ街を見てまわるということはできていないが、ぼくは横浜という街を以前よりもっと好きになった。愉しい体験ができたからだ。日中も日没後もほんとうに愉しかった。お別れ際に「また呼んでください」と言うと、桜井さんは頷いてくだすった。つくづくいい人だ。
必ずもう一度横浜を訪れたいと思っています。そのときにはメールで勧めてくだすった街を一緒に歩いてください。そして、これもお勧めの豚角煮まんを一緒に食べましょう。これはぼくが奢ります。よろしく、桜井さん。
……あ、何か恋文みたいだ(^_^;)。

ちなみに御案内頂いて買った土産ものはこれ。


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10月23日(月)
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