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衛澤のどーでもよさげ。
by 衛澤 創
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■横浜(洋上編)。
観閲は各7隻からなる観閲部隊と観閲附属部隊が各一列縦隊で並行に航行している間を、対面から航行してくる8群23隻からなる受閲部隊、3隻からなる展示艦艇部隊、8群9機からなる受閲航空部隊が、それぞれ通り抜けるというかたちを取ります。ぼくが乗艦した「まつゆき」は観閲附属部隊の先頭から2番めを航行していて、その後ろには護衛艦「あぶくま」、潜水艦救難艦「ちはや」ほか3隻が続いてきます。
上図は「まつゆき」の艫(艦尾)に掲げられている艦旗越しに見える「あぶくま」と「ちはや」。航行する艦を艦首から見るのはめずらしい経験です。ぼくははじめてでした。

自衛官と民間人の交流
観閲部隊・観閲附属部隊と受閲部隊が擦れ違って観閲が行なわれるのだということを民間人のお子さんに説明している二尉殿。「二尉」とは「二等海尉」、旧海軍で言う中尉殿です。澄んだ黒色ネイビーブラックの常装第一種制服(冬服)の袖に光る階級章が恰好いいですね。水平線上にはこちらに向かってくる受閲部隊の艦影が見えます。
航海中は幹部(士官)も曹士(下士官・兵)も大抵作業服を着用するのですが、この日は観艦式という式典(の予行演習)なので正式な服装である常装を着用しています。

さて、これからが艦艇・訓練展示です。
観閲部隊旗艦(一番偉い人…今回の場合は内閣総理大臣が乗艦する艦)である護衛艦「くらま」の前方45度の位置を基準点として、先ず受閲部隊第1群3隻が祝砲として5インチ短装速射砲を撃ちます。砲が火花を吹いた数秒後にドン!と轟音が空気に響きます。
続いて後続の第2群がボフォース対潜ロケット弾発射、第3群艦載回転翼機(SH-60K哨戒ヘリコプター)発艦、第4群旗艦を除く潜水艦3隻によるドルフィン運動(急速潜行・浮上)、第5群補給艦「ときわ」による洋上補給、護衛艦「はるさめ」によるIRフレア(熱源追尾ミサイルを騙す燃焼剤)発射、護衛艦「やまゆき」による甲板散水(生物化学兵器を使用された際に艦体を洗浄する)、第6群ミサイル艇・LCAC(水陸両用ホバークラフト)高速航行、救難航空機US-1A離着水(US-!A機は超低速飛行と洋上に降りたり洋上から飛び立ったりができる)、対潜哨戒機P-3CによるIRフレア発射と対潜爆弾投下、等々が行なわれます。

何れもこういう機会にしか見られないめずらしい展示で、それが近接距離で見られるために非常に昂奮しました。特に潜水艦の、喫水線が明らかに見えるほどのアップトリム(仰角)での急浮上や、P-3Cから落とされた対潜弾が海中で爆発したときに上がる大きな水柱や自分が乗艦している艦体に響く爆圧は、写真や映像では体感できない迫力があって、何と表現しましょうか、一ト言で言うなら「たまらん!」
それなのに、訓練展示の写真が1枚もここにないのは、観艦式に参加できることで舞い上がったぼくが出港時から携帯電話のカメラ機能でばしばし写真を撮りまくって、訓練展示がはじまる頃には電池切れでカメラが使えなくなるという間抜けたことをしてしまったからです。
でも、観艦式の様子はきっと再来月号辺りの「世界の艦船」に特集記事として掲載されるでしょうからそちらを御覧ください。まあ何てひどいオチ。

代わりと言ってはナニですが、雑誌等ではおそらく見られない写真を1枚。

「まつゆき」の艦内厨房
「まつゆき」の艦内食堂から見る厨房です。ここで給養員(調理師や栄養士の資格を持った自衛官)が乗員180名分の食事を毎日つくるのです。

10月22日(日)
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