ID:38229
衛澤のどーでもよさげ。
by 衛澤 創
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■ほう…。
さて、もとFユニット隊員で的場一佐直属の部下だった鹿島勇祐二尉はFユニット解散と同時に退官、いまでは民間人になり居酒屋の雇われ店長として漫然とした日常を過ごしています。しかし、鹿島は智将でもあった的場一佐のD-3作戦シミュレーションを破った唯一の人間で、タイムスリップしてしまった的場一佐を連れ戻す―――もしくは歴史への意図的介入を避けるために第三特別実験中隊を殲滅するための作戦実行部隊「R部隊」のオブザーバーとして招聘されてしまいます。これが江口洋介さんの役です。

結果として鹿島もと二尉の機転と「ちょっと小狡い」戦術とFユニット時代に培った戦闘能力によって的場一佐=織田信長の野望と第三特別実験中隊は殲滅され、歴史の意図的な書き換えと的場=信長の世界征服は阻止される訳なのですが。

鹿島たちR部隊が乗り込んだ戦国時代は第三特別実験中隊が持ち込んだ自衛隊戦力と、もともとの武士の戦い方が融合した戦術が主流になっています。銃砲火器も使えば刀や槍も使う訳です。そこで、銃砲の威力のみでなく、特殊部隊の近接戦闘技術も有効になってくる……はずなのです。幾ら電子化が進んでいるとは言え、戦闘の最後の鍵を握るのはやはり人間対人間の戦いである訳ですから。

鹿島が戦国時代の武士と刀同士で戦う場面が出てきます。フツーだと鹿島に剣道の経験でもあれば……などと考えてしまうかもしれないのですが、ここで見せた鹿島の構えがクロスコンバット(近接格闘戦)の構え方だったので、私は期待して見ていたのですが、戦い方がナイフコンバットの基礎を押さえていなかったところが残念だなー、ほんとうに残念だったなー。
江口さんが結構鍛えて胸板厚く腕太く格闘体型になっていただけに残念です。

近代自衛隊の装備の重厚さを見せつつやはり最後は的場対鹿島になる訳です。もと特殊部隊兵同志なのだから、とそういうアクションを期待した私が間違っていましたか、それとも制作側がハズしましたか。前作「戦国自衛隊」ではクロスコンバットの戦い方ではなかったものの、主演の千葉真一さんが確かな殺陣を見せてくだすってそれはそれは見応えがあったものと思われますが。

あと思ったことと言えば細かいことばかりですね。
89式小銃は連射もできるけれどせっかく三段バースト機構もついているのだし、突撃の仕方としてはそちらを使った方が無駄弾を使わずに済むのに、とか、シグザウエルが幾ら小型で扱いやすい拳銃とはいえ撃ったらやっぱり反動を逃がさないと肩が脱臼しちゃうよ、とか、ホバリング中の回転翼機に近付くときはブレードが巻き起こす風を迂回していかないと人ひとりくらい簡単に吹き飛ばされちゃうよ、とか、制帽やテッパチ(ヘルメット)を被っていないときは挙手の敬礼はしちゃいけないでしょ、とか、「R部隊」を「ロメオ部隊」と発音するのは何故なのか台詞の一部にでも組んでおいてあげないと一般の人はフォネティックコードなんか知らないでしょ、とか、そんなこと。

第三特別実験中隊がタイムスリップして以降の武士の鎧がケブラー混じりになっているのがおもしろかったです。兜はベースがケブラーヘルメットで両側に返しが付いていて、鎧は普通なら帷子を付ける部分がケブラーベストで周りに直垂やらいろいろ付けているデザインになっているのが、時代を少しずつ歪めている感じが出ていてユニークでした。

あと、三國曹長役は嶋大輔さんでしたが、今井雅之さんが演ると「如何にも」って感じでおもしろかったんじゃないかな、と思いました。森三佐に対する先任曹長の立場なのだろうからもっとしっかりしていてもいいはずなのにな、という気もしました。
R部隊長の森三佐も頼りないのかしっかり者なのか判りづらいキャラクタでしたね。でも森三佐役の生瀬勝久さんはやっぱりいい味を出していると思いました。槍魔栗三助時代を知っている者としてはいまの渋さがちょっと笑えたり。
的場一佐の副官与田二尉役が的場浩司さんで、周囲の人が彼の前で「的場」「的場」と別の人(鹿賀さん)を差して呼ぶのが何だかおかしかった。


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06月25日(土)
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