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ドラマ!ドラマ!ドラマ!
by もっちゃん
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■マイ・ロックンロール・スター
 正直どうかと思ってた。

 私はずっと疲れていて、その理由の半分以上は自分でもわかっている。その上、今日はちょっとみじめな気分で、しばしばそんな気分になるが、それも多分半分以上理由は知っている。
 週のはじめから疲れてみじめなら、早く家に帰り熱いお風呂に入ってベッドに潜り込むべきなのに。どうして私は劇場に足を運ぶのだ?もうチケットを取っていてそれが捨てるに惜しい良い席だから?確かに当日券狙いならあきらめただろう。そのくらいは疲れてた。チケットを持っていてもとんでもなく疲れ果てていてあきらめたこともある。そこまではいってない?いや、これは行ったらとんでもなく疲れる、そのくらいだ。長塚圭史の作・演出だからって、でも彼は出ないし。京三さんが観たいからって、山内圭哉や中山くんが観たいからって、野際陽子さんや京野ことみちゃんは舞台って大丈夫なの?そんな無理して、絶対観たい、観とくべき作品なの?雨まで降ってくるし、置き傘持って帰って来なかったし。地下鉄、改札口出ただけでかなり寒いし、ってことは地上もっと寒いだろうし。こんな斜め75度下向きに歩くのに、何、芝居観に来てるんだろ。


 終ったあと、3回目のカーテンコールで、周りで一番先にスタンディングしてた。実は1回目のカーテンコールから既に立ちたい気分だった。アンケート、うだうだ書かない、ただ「まだ11月だけど今年一番好き」とだけ書いた。

 あぁ、膝は痛いさ、首は痛いさ、腰痛持ちさ。でも足取りはしっかりコンクリートジャングル踏みしめている。(アルフィーぽい形容かい?)まっすぐ前に視線があって、肩で風きる感じ。闊歩してる感じ。濡れたアスファルトの交差点、斜めに渡る。近付いてくる車のライトにアスファルトはギラギラし、色づいて落ちた枯葉が浮かぶ。でも、寂しげな感じはしない。目がぱちっと開いた気分。いつぶりだろう。

 こないだ観た「エデンの南」はそんな気分で劇場を出て欲しい、という思いがあっての作品だったらしい。悪くはなかった。好きな方かも。だけどどう?おおよそ爽やかさとはかなり離れたところにある、この作品を観たあとに、こんな気分になるとは。これはコメディなんだよ、って言われても、「後味の悪さ」が一種持ち味でもあるんだもの。それがどう?この体温2度ほど上がりました的、みなぎり感は。

 それが何故なのか、私は考えたくなるだろう。だが今は考えるまい。そう、こうしよう。長塚京三の、ぱりっとしない役なのにカッコ良すぎる冒頭のスーツ姿を頭に浮かべ、同時にまわりのスーツ族を見回し窮屈さを感じながら、憧れのあの人は今日何色のスーツだったかしら、素敵だったかしら、などと空想してみる。





追記  圭哉さん、ギター聞けて良かったけど反対指さないように。圭史さんは下手側通路から登場だったやん(笑)。そしてロビーで大王見ちゃった。得した気分。

11月26日(火)
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