ID:34326
ドラマ!ドラマ!ドラマ!
by もっちゃん
[126878hit]
■「少年たち2」 大人も迷子2
「少年たち2」では、広川(上川)は家事担当になる。ここの裁判官が、山崎努で、変わり者で通っている。思うようにやってみろ、と、着任早々の広川に暴行罪の少年。器物破損の少女。離婚。幼児虐待。この4つの担当にする。規則、規則、堅物の主任(加納幸和)と、裁判官と、広川の中を取り持つのが、書記官(木野花)。なんて、豪華なんだ!!
<余談だけど、加納さんは劇団「花組芝居」の主催者で、女形したら、ぴか一なのよ。(この役どころでも、嫌われ役を買って出ているようなところがあって、その微妙さが、うまく出ていました。・・・スゴク上手いんだけど、深刻なドラマなのに笑っちゃう)木野花さんは「元・劇団青い鳥」こっちは女性ばっかりの劇団でしたね。パワフルなんだよ。素敵な女優さんだわ、この方も。この二人の間が、絶妙やね。>
少女は実は妊娠していた。黙秘を続けていた少年の事が、そこからときほぐされる。少年の暴行の相手が少女の父(中村育ニ!)だったのだ。少年は、「心を無にする。心を殺す訓練をしないと、大人の社会で生きていけない」と広川に話す。広川は「それは違う。君は、大人の心は既に死んでいると思っているが、それは誤解だ。大人だって弱い。でも、何故強くなれるか、それは、心が汚れているわけでも、殺しているわけでもない。愛する人がいて、その人を守りたいと思うから強くなるんだ。」
実は、少年の父は市の有力者で、(妻に逃げられてから自暴自棄になっている)少女の父に、交際を止めさせるようにと、お金を渡していたのだ。でも、父をかばう気持ちも強く、少女に頼りきりの不甲斐ない、金を受け取ってしまう少女の父に暴行を加えたのだ。少女は少女で、誰にも言えない、妊娠を、一人で抱えきれず、誰かに知って欲しくてわざとつかまるように、コンビニで暴れたのだ。まず、少女の父が広川の説得で折れる。
一方、離婚調停中、子供の目の前で、財産分与だ、お互いに異性がいるだろう、となじりあう夫婦を、子供が、広川に「パパとママを訴えます」と言ってくる。その内容は、求めるものは「ただ自分達への愛、4人の生活」そう言われて、夫も財産目当てで結婚したわけじゃなし、妻も夫の浮気が止まればいいと、親子4人帰っていく。しかし、数日後、家にいても、生きている実感がないと、夫は自分の経営するパブ(?)に寝泊りするようになる。(この夫、缶コーヒーBOSSで、困ってた人だよ!)
幼児虐待は、近所に住む聾唖の女性(中本奈奈)から、家庭裁判所の広川に相談がいく。子供同士が同じ保育所なのだ。しかし、妻に突然逃げられて、自分も親を知らない若い父は、一生懸命働いて育てようとするのだが、娘の愛し方、伝え方がわからなくて、やけになっているだけで、実は、娘のやけどの跡は、逃げた妻がしつけにと、つけた跡だったのだ。それを止められなかった自分も同罪だと、広川に責められても、実際、病院からの通報で警察に行くまでは黙っていたのだ。暴力から何も言えなくなっていた娘が、連行される父の足元にすがり、泣きながら、「これは、母ちゃんがやったんだ。父ちゃんは悪くない」と叫ぶ。
延期申請していた少年の審判の前日、これは、職務を離れて、ということで、山崎(裁判長)が、飲み屋に、少年と少女の父、自分探しで、抜け殻になっているBOSSの人。そして、広川を呼ぶ。少女の父は、随分改心ししているが、問題は、少年の父だ。山崎は自分も子育てに失敗したと話し出す。二人の息子に自分と同じ裁判官になって欲しかった。しかし、一人は反発し、事業を始め、もう20年音信普通。お互い、必要とし合っているときに、交流できなかった、と。そして、もう一人は死を選んだ。「なぜ、あなたのような人が二人目にまで」思わず、少年の父が問う。山崎は「あなたにそれを気づいて欲しかったんです」
BOSSの人から、「そんなあなたの生きがいは?」と聞かれ、山崎は、「私と同じ失敗を繰り返さない人が少しでも減るように、指導できる仕事があることかな」と答える。こんな裁判官いるのか?っていう風情なんだけど、そういう事情の前は、普通の裁判官だったんだろうね。
[5]続きを読む
08月19日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る