ID:34326
ドラマ!ドラマ!ドラマ!
by もっちゃん
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■ミスタームーンライト〜月光旅人〜4
 結城は鹿島の家へ行き、彼の妹を人質に、ナイフをむける。妹を守るという気持ちがあれば、何故、都のたくらみに荷担する?!とばかりに。「違うんだ、ナイフを買ったお前が心配で、かすみちゃん自身が憑依したんだ。信じてくれ!」
「もし俺が妹を殺したら、お前は俺が許せるか?」まだ信じない結城。「違う、あれは事故だった。殺人じゃない」。結城は「妹を守る」のは、子供の頃自分のせいで1歳未満のかすみに、12針縫うけがをさせた時、決意した事だ。と、一種、トラウマのような話を鹿島に話す。そして、逃走する。妹を守るため、ナイフで傷を負ったが、そのまま結城を追う、鹿島。


 病院で、間一髪のところ、鹿島が石岡に叫ぶ「僕を殴ってください!」。失神した鹿島にかすみが憑依する。色々な思い出話を語っても、「誰かに聞いたんだろう」と信じない兄。しかし、盲腸で入院した時、欲しかったディスクマンをもらい、それで聴いていた曲が兄の好きだったビートルズの「ミスタ-ムーンライト」だった。それをきっかけに、「20歳まで守ってくれたから、これからは自分の人生を生きて欲しい。幸せだった。」魂の抜け落ちたようになる、結城。初めて、妹だったんだと、信じる。
 

 オチがあって、実は、こういう時に限って石岡の殴りが、弱く、彼は鹿島でしかいられなかった。「ミスタームーンライト」の話は、電車でかすみが葉月に、葉月が鹿島にしたものだった。鹿島は必死に考えた。「かすみちゃんならどういうだろう。僕はかすみちゃんの力になれただろうか」
 その答えは・・・ラストシーン、39度の熱がある鹿島が図書館に来る。3通目の手紙が届いたのだ。「兄を止めるどころか火をつけてしまった。」「本気であなたが兄を助けようとしてくれたからです。」「あなたに頼んでよかった。これで安心して旅立つ事が出来ます。」「兄を許してあげてください。兄はとても強いけれど、兄は、多分とても寂しかったのです。さようなら」。
 そしてまた、鹿島のPCを勝手に興味本位で開けた、バイトが、スゴイ物を見つける。鹿島の小説かと思ったら「お兄さんへ」というかすみの何十頁にもわたる、幼稚園から二十歳までの思い出。それを夜中に書いていたのだ。(憑依タイム以外にもそのため、鹿島はひどい寝不足になったのだった。)ちなみに2日で鹿島の労働時間は述べ12分。


 かすみだけ、役者名を書いてないのにはわけがある。観客がそうだったの?と気づいた時には、舞台上にはいない。作品中、図書館のシーンで、訪れている人たちの中に実はかすみはいた。
 それは、ふと館長(西川)が写真を持っていた刑事に見せてもらってわかる。バイトが叫ぶ(霊感があるらしい)。そこにいるお客さんに聞く 「あなた、この子と、いつもいっしょに来て、今も、ここに座ってたよね。さっき先に帰ったよね?」客を含めみんなが、誰もいなかったよ、と答える。
 ・・・きっと、それは・・・鹿島が「かすみちゃん、さようなら!!」叫ぶ。(叫んで、咳こむから、さまになるんだか、ならないんだか)そして、「お兄さんへ」のプリントアウトにかかる。それを、警察にいる結城に、手紙とともに届けようというのだ。
 ガラスの向こうの満月の下。かすみの影が浮かび上がる。

 
 実は、私は、こういう物語に出会うといつも考えてしまう事がある。
 謝らないと気がすみませんと、よく言うが、謝れば、気が楽になる。一生、消えなくても、謝れれば、少しは救われる。でも、許した方がどうか?「謝りにも来ないヤツは最低だ」「謝りにきても、心がこもってないヤツはもっと最低だ」そう思う。心の底から謝りたいと願う相手を受け入れれば、被害者も少しは救われるのだろうか?それとも、帰ってこない人のことは、ただ、自分がどう整理をつけるか(ちょっと嫌な言い方だね、思いつかなくて)、思い出に変えていくか。それしかないのだろうか?謝られても、許しても、その人はもう、帰らない。


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08月14日(火)
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