ID:34326
ドラマ!ドラマ!ドラマ!
by もっちゃん
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■十字架
娘の働く風俗っていうのは、その辺をしきる久世沼が妹(村岡希美)を無理矢理嫁がせた小松(政岡泰志)の店。妹には実はふがいないヤクザな宇野(三上市朗)がいたのに。宇野は弟分のマコヤ(富岡)と、礼子の家に世話になることになってしまう。何事もなく、何事もないはずのない日常がすぎていく。諭吉が手に入れようとしている薬はパク(加藤啓)が売人なんだけど、それを島村が横取りしたところから話が転び始める。また、礼子を崇拝する薬局の店長がえせ牧師となって風俗廃絶のためにKKKみたいな自警団をつくったり。小松が妻と宇野の仲をかんぐったり。まぁ、電話してるとこ見られたから仕方ないんだけど、その会話っていうのが、「あんた殺し屋にねらわれてるのよ、でも、勝手に死んだら許さない、絶対死ぬ前に、私に今から死ぬって連絡するのよ!」みたいな泣けるんだか、ごむたいなんだかな会話なんだけど・・・・。そして、いっきにいろんなことが壊れまわりはじめる。処女懐胎したと自分に思い込ませていた礼子に現実がつきささり、諭吉はますます幻覚にはまりこみ。娘は騙されているとも知らずに男に貢ぐ。そしてついに殺し屋(長塚)がたどり着く、礼子の家にいる宇野に。死に際に、仁義だからって電話をかけるのを手伝う殺し屋、といっても、地上数ミリを歩いているようなタイプの奴なんだが。そして宇野は自警団の投げ込んだ火炎瓶で火事になった風俗店で元の女、久世沼の妹に約束どおり電話で話す。そして死ぬ。マコヤも。その血の惨状で、キリストを信じたかった礼子の経典を見つける殺し屋。そして懺悔や報いについて知る。
やっとの思いで、娘を説得した礼子が戻った家には、3つの死体があった。あぁ、そう・・・十字架って、そういう意味だったんだ。君の体だったんだね。殺し屋くん。
個性的な俳優の中で、いったい何が描かれようとしているのか思考することは無駄ではない。でも、ただ受け入れる。それだけでも充分な、そんな阿佐ヶ谷スパイダース。ユニット的であるので、千葉女史以下、拙者ムニエルの加藤啓がみれたことも嬉しい。(みかいちさんはもう知ってたからねー)それよりも、「無名塾」出身とは言え、娘役の真木よう子、彼女はベテラン、超個性派の中ですごく光ってた。注目株です。かわいいし。前作「日本の女」よりも設定は煩雑であるが、完成度は高いのではないかと、私如きが言う。
03月25日(月)
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