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ドラマ!ドラマ!ドラマ!
by もっちゃん
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■ミスタームーンライト〜月光旅人〜4
「ミスタームーンライト」の場合。兄が許せなかったのは、まず、自分自身が妹を守れなかった事。彼女の将来が奪われた事。そして、その事故の原因は、友人の居眠り運転で、ハンドルをキリさえしなければ、助手席の妹は助かったはず。彼が殺したも同然だということ。しかも、その、卑怯者と思う彼を、実は妹は愛していて、その気持ちを知りながら、彼は大切な妹の気持ちを受け入れなかった事。
妹は、霊になり、兄が彼を殺そうと思っていることに気づく。猜疑心にとらわれた兄は、信じてくれなかったけど、彼女が兄に伝えたかった事は次のような事。お兄ちゃんは、充分守ってくれたよ、今まで。だから、これからは自分のことを考えていってほしい。彼の居眠りが原因だけど、実は、最終的にハンドルをきったのは、彼に死んで欲しくなかった自分なんだ。彼はハンドルをきって自分だけ助かろうとしたわけじゃない。そして、命をかけて守りたかったほど愛していた彼が、気持ちを知りながら受け入れてもらえなかったとしても、それは、恋愛の事、仕方のないことだと、わかっている。だから、彼を憎まないで。お兄ちゃんには罪を犯して欲しくない。
妹は、兄にむけて鹿島のPCを使って、20年分の思い出を書き連ねた。どれだけ、幸せだったかを。
もし、死んでいった人の気持ち、それまでの気持ちも、死んでからの気持ちもわかれば、特にそれが、「もういいのよ、お兄ちゃん、残念だけど、仕方のないこと。生きている間、私はとても幸せだった」というものだったら、はじめて、全てを受け入れる事ができるだろうか?
満月の夜。満月は死者の魂が一杯になって、ふくらんでいるのだという。天界に魂を送り届けた月は、また小さくなり、段々と三日月型の船となり、死者の魂をそっと集め、天界に運ぶ準備を始めるという。魂は光のもとへ帰るという。万葉の昔には、そのように考えられていたらしい。
今や月は、太陽の光を反射しているだけだと知っているが、そうやって、誰かの心を反射する事で、その人が亡くなっても、生き続ける。語り継がれる事によって、生きるのかもしれない。
私には祖母がいる。彼女が死んだら、って、考えただけで涙が出てくる。彼女は、突然、時々、私が生まれる前に亡くなった、血族の話をする。私はそれを、できれば覚えていて、また、誰かに語りたい。そうすることで、その人は、まだ私たちの心の中で、生きている、そんな気がするからだ。昔の事なので、悲しかった話が多いが、できれば祖母に、楽しかった話を思い出してもらって、できるだけたくさん聞きたいと考えている。そして、機会をつくり、語っていきたいと。
08月14日(火)
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