ID:3398
へそおもい
by はたさとみ
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■ずれ
いちばん近い人との
コミュニケーションが
一番むずかしい。

いまは
相棒との
コミュニケーションが
むずかしい。

まして
一緒に
なにかをするとなると

お互いのペースの違い
ものの見方の違い
考え方の違い
いろいろな違いからの
ずれが
みえてくる。


そのずれは
どうしようもないもので
泣こうがあばれようが
なだめようがすかそうが

ずれはずれ
なのである。

こちらの思いを
わかってもらおうと
すればするほど

相手も
そうおもうので
ずれが
大きくなるばかりである。

なんども
挑戦して
痛い目にあって
やっと
わかってきた。


そういうとき
わたしは
ひとりになろうと
おもう。

まずは
自分の真ん中に立ちかえり

わかってもらいたい
わかりたい
おもいを共有したい

という
気持ちを
鎮める。


そもそも
おもいを共有するなんて
無理なのである。

みんな
ひとりひとり
違う世界をみているのだから

おもいが共有されていると
感じるときは

お互いが
違う世界をみながらも

同じ世界を
みているような
気になって

一緒に
ただ存在していることを
歓迎しあっている
ときなのである。

そうおもう。


それで
世界が成り立っている。


世界は
そんな
あやういもの

逆にいうと

自分の世界の見方次第で
どうとでも変化するもの

のような
気がする。


自分が存在して
相手が存在して

ただ
存在しあっている
だけのもの。

石ころとか
木とか
風とか
それと
おんなじようなもの。


そういうふうに
自然に
人の存在を
大切に
みることができたら

いいなあと
おもう。

自分のことも
他人のことも。


わたしは
まだまだ
煩悩だらけ

ほどほどに
もがきながら
あるいて
ゆきます。





20歳のころに
ネパールで
ほんの1週間ほどの
トレッキングをしたことがある。

ヒマラヤ山脈のふもとを
あるくのである。


シャクナゲの赤い花
青い空
谷間につづく段々畑
遠くにそびえる雪をかぶった山峰
ヤクの行列
鈴の音。

途中の小さな村に
宿をとる。

日が暮れると
こんな過疎の村のどこに
こんなにひとがいたんだと
不思議なくらい

人があつまってきて
太鼓ひとつで
歌い踊る。


同じ年くらいの若者は
ほんとに格好良くおどる。
惚れてしまう。
2,3歳の小さな子ども
細い足首のおじいちゃん
貫禄のあるおとうさん

みんな
一緒になって
心から
たのしそうに
おどる。

わたしも
つられて
おどる。


音楽って
なんて
たのしいんだろう。


梅の木が
月明かりに
照らされているのが
みえる。

大きな山々に
守られている。


あのとき

人間って
こういう
イキモノなんだと
おもった。

自分も
人間なのに
それまで
しらなかった。



山をおりるとき
不思議な涙が
とまらなかった。

なんで
泣いているか
よくわからなかったけど

仲間のいちばん後ろについて
こっそり涙を流し続けて
山をおりた。


これは
なにかあると
おもいだす
大切な
感覚。




昨夜は
ふとんの中に
はいって

そのときの
ネパールの写真を
ながめていたら

お腹のまんなかが
あたたかくなって
おちついた。






あしたはライブです!


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11月10日(土)
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