ID:3398
へそおもい
by はたさとみ
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■やさしい淡路島
花火をみに淡路島にいった。
淡路島は
やさしかった。


例えば、
タクシーの運転手さん。

タクシーを降りたときに
200円を網の鉄板の溝に落としてしまった。

鉄板は大きく
もちあがりそうになく、
溝の深さも1メートルはある。

あきらめようとしたところ
タクシーのおっちゃんが

時間あるか?
ちょっとまてよー。
二百円がどーのってより
こんな暗いところにおいてかれたら
お金がかわいそうや。


といいつつ
トランクから
竹の棒をだし
その先にガムテープをつけて

鉄板の網につっこんで
お金を取ってくれた

なかなか
お金がくっつかなくて
何度もやりなおし
引き上げられたときは
感動的だった。


おっちゃん天才!

というと


おっちゃんは
顔わるいけど
頭いいからなぁー

という。

大切にお金の玉を握り締める。



よかったな
お金かわいそうやったからな
よかったよかった


そういいながら
タクシーはさっていった。

なんてかっこいい!!


例えば
商店街のお菓子屋さん

タマネギケーキの名前に惹かれて
ふらりとお店に入る。

無口でシャイな感じの
商売気のないおばちゃんが
試食のケーキをだしてくれる。

奥にはパーテーションで
区切られたスペースがあって
ギターがいっぱい並べてあって
親父さんがその真ん中で
じっと座っている。

瞑想してるみたいにじっと。
人形かと思ったほど。
謎だった。

迷った末に
タマネギケーキを買うと


荷物手提げ?背負う?


ときかれ

手提げ…と答えると

おばちゃんは
奥からスーパーの袋いっぱいのタマネギを持ってきて


これ紫のはドレッシング用ね、
バランスわるいけどいれとくからね


と。

なんてありがたいサービス!
カンドー!


花火は
花火大会実行委員長の挨拶がよかった。

ええ味のおっちゃん


みなさんお元気ですか〜?


みんな『はーい』と答えると


ああー
その、みんなの声がききたかったんだよ〜


まるで
わたし自身のおじいちゃんに
言われているような
あたたかな挨拶。

挨拶だけで
じんわりうれしい気持ちになったのだけど
みんなもそのおっちゃんの挨拶には
おおきな拍手を送っていたから
みんなも同じような気持ちになったんだろな。


海にあがる花火は美しく

わたしは自分の身体を
この場所に連れてきてあげられて
よかった…と思った

ドーン!めりめりめり…という
この腹に響く音

目にうつる美しい色

まわりにいる人の感嘆の声拍手
肌で感じるわくわくした雰囲気

その真ん中にいて
わたしの身体はとっても喜んでいたから
わたしもうれしくなった。

わたしの身体がわたしに
ありがとう〜
連れてきてくれて
ありがとう〜て
言っていて

花火がドーンドーンと
あがって

わたしは
やさしい気持ちになって
夏のかみさまに
島のかみさまに
ありがとうをいった。

いつもこきつかっている身体。
できる限り

身体を喜ばせてあげよう
好きな場所に連れていって
好きなものを食べさせて
大切にしてあげようって
思った。

生きるって
ひとりだけど
ふたり旅だ。

08月15日(日)
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