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へそおもい
by はたさとみ
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■アゲハのアゲタロウ
庭の山椒の木には
アゲハの幼虫
アゲタロウが
住んでいる。
3匹いた仲間たちはみな
トカゲか鳥か蜂に
食べられて
一匹だけ残って
いまや
しっかりでっぷりと
太った青虫に
育っている。
まいにち
鳥にたべられてやしないかと
ひやひやしながら
アゲタロウをさがし
その姿をみると
ほっとする。
わたしは
小学生の頃から
アゲハが大好きだった。
蝶自体よりも
幼虫が
小さな黒いやつが
何十倍もの大きな青虫に
育ってゆくところとか
いきなり
さなぎになって
青虫とはぜんぜん違う
蝶に変身するところとか
その成長ぷりが
あれよあれよと
おもしろいくらいに
早いところとか
子どものわたしは
その魅力の
とりこになった。
夏休みの自由研究で
アゲハの観察日記を
つくったのを
よく覚えている。
30近くなってからも
一人暮らしのマンションで
卵から蝶になるまで
何匹かと
一緒に暮らしていたっけ。
あの時は
餌の調達が大変だった。
柑橘類の葉っぱをさがして
公園や河原を
あるきまわっていたっけ。
わたしは
指に太った青虫をのっけて
唇でそーっとさわって
その感触を味わうのが
好きだ。
だけど
アゲタロウは自然の中で
育っているので
人間がさわるのは
よくないなあ…と思い
指にのせるのを
ぐっと我慢している。
ぐっと我慢しつつも
もうもう
かわいくてたまらない。
ちょっとなでてやると
山椒のとげに
あたまをきゅっとよせて
縮こまる。
そのしぐさも
なんとも
かわいい。
どうか
無事に
蝶になりますように。

06月09日(水)
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