ID:3398
へそおもい
by はたさとみ
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■かえりたい
道路の真ん中で
弱った風な黒猫が
きょろきょろしていた。

駅から
たくさんの人が流れてきて
黒猫がみえないかのように
すたすたと歩いていく。

黒猫の動きが
なんとなく妙だったので
立ちどまって
黒猫をみていたら
たくさんの人が流れてきて
わたしがみえないかのように
すたすたと歩いていく。

猫はくねくねと
儀式のような動きをしていて
手足がとても細く
やわらかい金属のようにみえた。

この動きは
もしか
宇宙猫かもしれない。

ふと気がつくと
もうひとり
たちどまって
黒猫をみている
サラリーマンがいた。

たくさんの人が流れてきて
サラリーマンがみえないかのように
すたすたと歩いていく。

この人も
宇宙サラリーマンかもしれない。

しばらくしたら
黒猫は普通の黒猫のようになって
すたすたとコンビニの横を
曲がって行った。

わたしも
人の波にのっかって
駅のホームまで
流されて行った。

わたしは
カラダの中が
からっぽで
ヒモの先っちょにしばられて
ふわふわ浮かんでいるだけでした。

宇宙にかえりたいような
気がしました。

09月11日(月)
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