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へそおもい
by はたさとみ
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■そらまめさん
90歳のおばあちゃんが作ったという
そらまめをいただいた。
おおきなお鍋でゆでて
お塩をふって
ビールと一緒に食す。
思い返せば
こんなふうにゆっくりと
そらまめのことだけ考えて
そらまめを食したことなんて
これまでの人生なかったかもしれない。
分厚い皮の端を
ちっとちぎってすーっと
筋をはずす。
おなかのあたりをきゅっと押すと
きゅいんぽとりと中の豆がおちる。
豆の大きさは親指の第一関節までくらい。
ちょっとだけ芽がでていて
その芽はちゅるっととれてしまうので
ちゅるっと食べる。
薄皮も結構堅い。
まず薄皮だけ
歯でちょっとずつ
ちぎってたべる。
味噌のようななつかしい味。
インドをおもいだす味。
インドの北の方の感じがふわっとよぎるのだが
なんでだかおもいだせなくてもどかしい。
薄皮をきれいに剥がすと
なかから中身がでてくる。
芽がついていたところが
鳥の顔みたいになっている。
くちばしのついているような不思議な形。
ピラミッドについている彫刻みたい。
指でちょとひねると
ふたつにわれる。
中はただのみどり。
みどりがうまっているだけ。
口にいれるとデンプンぽくて
やわらかい。
すこしだけまた
インドの気配。
すこしだけ。
ふわーっと。
そこで
塩分のついた指をしっかりなめて
ビールをひとくち。
ふたくち。
みくち。
そらまめさん
そらまめさん
わたし
しあわせだわ。
05月24日(水)
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