ID:3398
へそおもい
by はたさとみ
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■テントのこと
最近テントでねていない。

この季節になると
テントが恋しくなるのだが
最後にテントでねたのは
数年前の奈良の河原ではないだろうか。

子どもの頃から
テントにはあこがれがあり
小学校5年生の時に
親にねだってやっと
買ってもらえた。

うれしくてうれしくて
家の前の公園でテントをはったり
ばーちゃんちの前でテントをはって
味噌汁つくったり
親に保護者をおねがいして
(子どもだけでキャンプは
 許されない年令だったので)
友だちと近場にキャンプにいったりした。

とにかく
あの狭い手作りの
お家の感じが大好きなのだ。

狭い中に何人かではいって
蝋燭の光で
おしゃべりしたり
トランプしたり
食べ物を食べたり。

雨がふった時も
雨のとても近くにいるのに
ぬれないし。

寝ていると
普段は聞かない
夜の音がたくさんきこえる。
だけどこわくなくて
自分の世界は守られているのだ。

あのあたたかな感覚が
とても好きなのに
最近テントでねてないなあ
ちょっと遠ざかっているなあと
おもいだして
淋しい気持ちになった。

近所でいいから
テントでねたいな。

* * *



蚊帳で眠る
めいとおい。

蚊帳もテントと
ちょっと似ていて
子どもの頃の夏の夢。

蚊帳でねていた
あの頃のわくわく感は
今はおもいだすことしかできないけど
おもいだすと
すごくわくわくする。

あの頃わくわくしていた
同じ場所にいっても
もう自分が違っていて
感じ方も違っていて
わくわくに
カラダ中ががうめつくされることが
大人になってから少ないので
淋しいなあとおもう。

なにか
わくわくの質が違ってきているのだ。

わたしは
あの時のような
わくわく感を味わうために
新たな快楽をさがして
あるいているような気がする。

08月22日(月)
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