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兼松孝行の日々つれづれ
by 兼松孝行
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■燐光群「屋根裏」
七ツ寺共同スタジオで燐光群初観劇。
数年前ここの主催の坂手さんと名刺交換をして依頼、毎回招待券がやってくるのだが、残念ながら首都圏ばかりでの公演のためなかなか見に行くことが出来なかった。
やっと名古屋公演があり念願の観劇である。
今回の屋根裏は「引きこもり」からヒントを得た少し未来の話である。
引きこもるためのスペース「屋根裏」と呼ばれる持ち運び可能な小さな部屋が、インターネット通販で爆発的なヒット。
その「屋根裏」にまつわる様々なエピソードをオムニバス形式で見せていく作品である。
舞台は、おそらく今まで見た芝居でもっとも小さな舞台スペースである。
二畳ほどの平面に、不等辺四角形の断面の箱形で、客席側の壁面を取り払った舞台である。
高さも最も高いところで1500oくらいの高さで、役者は直立できない。
座ったり寝たり四つん這いになったりした姿勢で芝居は続いていった。
「屋根裏」は時には引きこもりスペースになったり、山の避難小屋になったり、戦争時のシェルターになったり、ラブホテルになったり。
そこに現れる人々には、「屋根裏」が 必要な必然性のある理由がある。
単に狭いところが好きな人だったり、本当に引きこもってたり、アレルギー対策で外界と隔離するためにつかったり。
そんな中、弟が「屋根裏」の中で自殺した兄が、「屋根裏」を作っている人を探し始める。様々なエピソードを経てやっとたどり着いた工場には、半身不随の弟が自分の居場所をつくるべく「屋根裏」を製作していた。
自殺の弟の兄はたどり着いたが、何のために自分が製作者探しをしていたのか自問自答をする。
そんな話である。
全体的に芯が見えてこない芝居に感じた。
製作者探しという芯になるエピソードの書かれ方が弱いせいか、オムニバスで進められていく様々なエピソードのつながりが弱い感じである。
そして、一つ一つのエピソードも物語として成立していないので、どうもすっきりしない終わり方である。
「屋根裏」という芝居史上最小のスペースから、現代社会をスケッチして広がりを持たせようとする手法は理解できるのだが、もうひとつ理解に苦しむ展開が多すぎた。
劇場を出て「うーん、これは・・・」と考えてみるが意図口が見つからない感じの難解な芝居だった。
場面場面では素敵な場面もあったし、役者も尋常じゃなく上手い。
だからこそ、全体の構成が今ひとつなので、どうにも惜しい感じの仕上がりである。
オムニバス形式のものではなく、一つの物語としての公演を見たいと思った。
06月07日(金)
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