ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■京バ
堕威くんはオレと薫くんとバレンタインを一緒に祝う。

「ハッピーバースデーバレンタインーーー!!」

そこいらの安い居酒屋で何故か三人のみで祝いは行われる。
多分堕威くん的には何か理由をこじつけて飲み会ができればい良いって感じなんではないだろうか。
「はい、薫くんと京くんにチョコー。あとバースデープレゼント♪」
男から男にチョコを渡す異様な光景、しかしオレらにとっては毎年の事なので慣れたものだ。
「おー、堕威ちゃんありがとー」
「ありがとな」
にっこり笑って受け取るオレと薫くん。
薫くんは弟から祝ってもらってる様な気持ちで受け取ってるんやろうけど、オレは違うくて。
毎年平等に貰えるこのプレゼントが必要以上に嬉しい。
プレゼントを渡されたらその場で見る。
堕威くんはオレらの反応が毎年気になるみたいやから、目の前で開けて見てあげると喜ぶねん。
「何これ?堕威ちゃんオレ馬鹿にしてんやろ」
薫くんが笑いながら中身を取り出す。
蝮ドリンクとコンドームのセットであった。
「だって薫くんいっつも違う女連れてるねんもん。まだ若いねんなーっと思って。やからそれやったら実用的やん?」
屈託の無い笑顔でそう言う堕威くんを薫くんは笑いながら叩くふりをしている。
やはり何年も同じギター奏者としてやってきただけあって二人は仲が良い。
そんな二人を視界からはずす様にオレはプレゼントを見る。
薫くんのかさばるプレゼントとは対照的に小さな箱。
オレは小さなソレをゆっくりと開ける
「あ…」
中には指輪がコロリと一つ。
「京くんのは指輪か……って堕威ちゃんそれ前付けてたやつやん」
「そうやで♪」
薫くんの言葉に嬉しそうに堕威くんは答えている。
オレにもそれは見覚えがあった。
見覚えが有りすぎた。
だってこれは堕威くんがとっても気にいっていて、大切にしていたものだから。
「これ…堕威くんの大切な指輪やろ?貰ってもいいの?」
オレはこんな大切な物をくれる堕威くんの思惑がわからなくて困惑する。
「ええよ」
堕威くんはそんなオレをよそに気軽にそんな事を言ってきた。
薫くんはそんなオレと堕威くんを見て何故かニヤリと笑って酒を飲みはじめた。
気持ちが悪い。
「でも…こんな大切なもん貰ったらやっぱ悪いわ」
なおもオレは食い下がる。
こういうものは大切な誰かに渡すのであって、オレみたいなただのバンドメンバーに渡して良いものではない。
ましてやこんなもん持ってたら毎日眺めて溜め息吐くとか寒い事してまいそうや。
堕威くんはそう思うオレにこう返してきた。
「だって京くん俺ん事好きやろ?俺も京くんの事好きやろ?やったらあげても問題ないやろ?ええやん」
それを聞いた瞬間オレは絶句し、薫くんは大爆笑した。
「あはは!堕威ちゃんそれは率直すぎてええと思うで!!」
「やろ?薫くんもそう思うやろ?」
二人して何か盛り上がってる。オレはもう何が何だかわからない。
「え……え???」
だからついつい間抜けな声を出してしまうわけで。
そんなオレに堕威くんはんふっ!といつもの笑みを浮かべるだけであった。
薫くんはニヤニヤしながらアタリメを食べている。
オレはそんな二人を恥ずかしい様なムカつく様な思いで睨み付けた。
そしてこんな二人の反応に愛しさを感じながら考えるのだ。

自惚れてもええんかな…?っと。

END
02月16日(木)
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