ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■訣別 玖
中小企業並の会議室
簡素な作りは他の会社と同じ
京達4人はそこにとおされた。
訣別・玖
その会議室に用心しながら踏み入る。
4人の表情は一様に堅い。
京の顔の色は以前として蒼白なままで痛ましい。
ガチャ
その重苦しい空気の中にkisakiはとても落ち着いた面持ちで現れた。
背後には受付の女性も付いている。
社長である事を誇示する様にゆったりとした笑みを浮かべ、彼は一番奥の大きな椅子へと座った。
女性はその斜め後ろに立つ。
どうやら話し合い中ずっと居る様だ。
「で、なに?」
kisakiは挨拶もせずに早急にそう言葉をついた。
「堕威くん出してや」
京は今にも飛びかかりそうな表情で間髪入れずそう言った。
kisakiはその言葉ににやにやとした笑みを浮かべるだけ。
薫や心夜はそんな二人をただ静かに見つめている。
一人敏弥は心配顔。
そんな敏弥にkisakiはふと目をやった。
いきなり見つめられた敏弥はどきりとする。
kisakiの細長い目。
敏弥は少々戸惑う瞳でそれを見つめかえした。
「俺の後のBassか」
目尻の歪んだ瞳でそう言われた敏弥はこのいきなりの言葉にどう対応して良いかわからず京に困惑の表情を向けた。
ちょっとした一言でこの会話はすぐに破綻するのは敏弥にもわかっていたから。
「そうや、お前の後に入ったものすごくええBassや。それよりも今は堕威くんの事や。話そらすなや」
京が敏弥の困惑を受け話を進める。
敏弥はそれにあからさまにホッとした表情を見せた。
っと共に少々笑顔を浮かべる。
どんな場面で有っても、やはり自分が褒められるのは嬉しいのだ。
「・・・・・・あの紙に書いてあったやろ?もう渡さへんって」
kisakiがようやっと本題について語りはじめた。
してやったりとばかりに笑みを浮かべたのは心夜。
こういう時に冷静な人物というのはぼろを出す瞬間を探っているものだ。
無表情にかまえているが同じバンドのメンバーである。心配しないわけはなかった。
彼は京の背後で静かに期を狙っているのである。
「もう堕威くんはお前の恋人やなんやぞ。返す返さんの問題やない。これはれっきとした誘拐や」
京はなるべく怒りをこらえている。
これは犯人との交渉に近い。
自分一人だけの問題でもないのであるから、勝手な行動は許されない。
「・・・堕威くんが帰りたくないって言ってた言うたら?」
「えっ・・・・・」
しかしkisakiはそれをまき散らす様に京の不安感を揺さぶる言葉をかけてきた。
京の表情が一変して驚きの色を宿す。
「堕威くんが俺と離れたくない言うてた言うたらどうすんねんいう話や」
kisakiの笑みが深くなる。
勝ち誇った様な笑みだ。
4人はわかっている。
堕威が絶対にkisakiの元を望まない事を。
俺らよりも彼を選ぶ事がないことを。
しかし
彼の自信に満ち満ちた表情は揺れなくても良い心の隅を揺さぶった。
「そ・・・・んな事あるか・・・・」
京の声が掠れる。
皆の顔にも一様に不安の色が浮かんだ。
特に敏弥は心情が顔に出やすい質なので不安なのは一目瞭然であった。
「んなわけない」
その時、力強く言葉を発したのは薫であった。
彼は友人としてではなく、リーダーとしてこの場にたった。
そうやって利害しかない立場で見る事でまた違う何かが見えると思ったのだ。
その薫が、ある意味中立である彼が力強く否定した。
「堕威くんはお前の元には戻らへんよ」
確信した声で告げる、
それは残るメンバーたちの心に起こったもやもやとした不安を払拭するには十分の言葉であった。
彼の言葉は逆にkisakiの自信にヒビを入れるものにもなった。
「なっ・・・そんな証拠・・・ないだろうが!!」
「社長・・・・!」
あからさまな逆上
女性がkisakiを背後から緩く抑える。
その時
バタンッ
「京くん・・・・・!!!」
扉を開いて
「だっ・・・・」
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10月17日(日)
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