ID:31657
to Die
by 293とうめこ
[440320hit]

■Kai
ラブラブが書きたい!って思って書いたのが完結しました。
8月13日のやつです。
続き気になる方は読んでやってください。
そしてついでに本日の更新。

----------------------

朝道を歩いていると片足びっこの猫がいた。
まだその猫は子猫で、急いでいた俺はその猫がよたよたと歩くのを横目に見る事しかできなかった。
仕事帰りにその道を注意深く見た。

子猫はガードレールのポールの足下に丸くなって眠っていた。
俺はそっと近寄る。
子猫は俺に気付き逃げようとしたが何せ片足があれなものだからうまく動けず、俺にひょいっと掴まれてしまう。
「お前大丈夫か?パンいるか?牛乳も有るで?」
コンビニで買ったばかりの小さな牛乳とパンを取り出す。
地べたに座り子猫を膝に乗せて袋から取り出したパンを細かくちぎって口に運ぶ。
子猫はふんふん匂いを嗅いだが、しかし食べようとしなかった。
「何やねん、お前。まるで堕威みたいやな」
俺は苦笑しながら自分の恋人の名を口にした。
わがままで生意気で、でも可愛くて自覚の無い天然。
プライド高くてどこか人と一線を置いているのに一度慣れるとどこまでも懐き倒す俺の子猫。
その子猫の毛並みは赤みがかった茶色
「お前ほんま堕威みたいやな。そや、お前今日からにゃん堕威や。俺薫。はよ慣れてくれよ」
牛乳はビンで買ったから、蓋に注いで地べたに置いて飲ませる事にした。
試しに体をそのそばに下ろしてやる。
すると次はいとも簡単に飲んだ。

「あれ?薫くん何してんの?先家帰ってたんちゃうん?」

噂をすれば影が立つ。
何や子猫と俺の話の中心人物が来てしもた。
「堕威、お前もちっと遅くなる思うてたんやけど」
俺は質問をあやふやにしたくてはぐらかす様に言う。
「いや、俺はここらへんに居た猫が気になって・・・って!薫くん!その子猫!」
どうやら堕威も俺と同じ思惑やったみたい。
「お前もこの子気になってたんや。今にゃん堕威って名前付けたとこやで?」
俺はにゃん堕威が牛乳を飲んでゲップしてる所を抱き上げる。
「ださい!薫くんださいで!しかも俺その子にかおにゃんって付ける気やったんやけど!!」
堕威はぷりぷり怒りを露にしながら言ってきた。
お前のネーミングセンスもどうかと思う。
「俺らにネーミングのセンスは皆無やな・・・。ってかじゃあ堕威ちゃんそのコンビニ袋・・・・」
「・・・・・・・そこに有るのとたいして変わらん」
堕威もこの猫を相手する気満載だった様だ。
堕威はコンビニ袋を地べたに降ろし、俺の買ったパンをちぎって猫の口に持っていってやる。
ぱくっ
猫は何故か匂いもせずにパンにかぶりついた。
「あっくったー」
堕威はけっこう喜んでいるみたい。
「俺んときは食わんかったぞ、こいつ」
「それは人格見てんねんやろ♪」
堕威は自慢気にそう言う。
「・・・ただ野性的なんがばれてるだけなんちゃうか?」
「もー薫くん妬まんといてー」
「・・・はぁー・・・・」
もうため息しか出ない気分やで。
ちらりと堕威を盗み見ると、幸せそうな顔でパンを与えている。
そんな顔を見ると、現金なもので気分はけっこう上昇する。
「あっそうや、この子”かい”って付けよう」
っと、物思いに耽ろとした矢先、堕威がそう言いだした。
「かい?ええ名前やん。どっから出てきたん、それ」
俺がちょっとだけ感心していると
「薫くんの”か”と俺の”い”くっつけただけー」
そんな簡単な答えがかえってきた。
俺は一気に肩透かしをくらったとジト目。
堕威はにっこにこしてる。
「ま・・・それでもえんやない?ってかやっぱ飼うよな?」
「当たり前!」
堕威はぎゅっと子猫を抱きしめた。
「薫くんみたいに綺麗で、大人っぽくて、でも甘えたさんで、そんなんほおっておけんもん!」
俺はその言葉に絶句。
しかししばしたった頃に気を取り直して言った。
「いや・・・・堕威ちゃん、それ言うならこの子は堕威ちゃんみたいに可愛くて、懐いた相手にはとことん無邪気で甘えたやろ。」
「えー、そうかぁ!?」
今度は堕威くんが驚く番。

[5]続きを読む

08月15日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る