ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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「こんにちは、おおかみさん」
ある日ちっこいうさぎが俺に話かけてきた。
俺は堕威、このあたりを縄張りにしてるオオカミ。
俺以外に仲間は居ない。
人間に狩られてみんな死んでもーた。
だから俺には逃げるしか道が・・・・ない
「何やうさぎ、食べられたいんか?」
逃げるには体力がいる。
俺はそのウサギは俺を動かす糧にしか見えなかった。
でもこんなに物怖じしないウサギははじめてやから
興味本位の仏心で逃げれる暇を与えたんやけど。
そいつは逃げも隠れもせぇへんで俺にしれっと言ってきた。
「赤のとても綺麗な毛並みだね?それを手に入れるにはどうしたらいい?」
白の中に金が入っているその毛並みの方が綺麗だ
っと俺は思ったが、言うのも面倒で俺は完結に言った。
「お前が俺のお腹ん中に入ってくれたら俺は一生お前のもんになったるよ」
誰だって命は惜しいやろ、お前やって逃げるやろ?
俺やったら逃げる。
人間が居たら・・・・・・仲間の様にはなりたくなくて。
でもそいつは何のてらいもなく頷いた。
「うん、ええよ」
驚いた。
「何言うてるねん。見逃したるから逃げぇやくそうさぎ」
悪態をついてそいつを離そうとした。
生きる事は大切だと本能は知らせているのに。
そいつの言葉は生にどん欲な俺に深く突き刺さった。
「食べへんの?やったら・・・俺が食べてまうよ?」
うさぎはにこにこと笑ってそう言う。
「・・・・・やれるもんならやったらええで」
俺はそれに冗談まじりで答える。
すると、応え終えた瞬間うさぎが俺にキスをした。
俺が異種族交配をする事になるとは思わんかった・・・・
頭の奥の覚めた部分がそう言う。
うさぎの愛撫は優しくて、白金の毛並みは心地よい。
「名前読んでや」
「・・・・・・名前知らへん」
「京・・・・・・・」
「・・・・・っん・・・・きょぉ・・・・」
絡み合ってもつれあって、
意識が融けて・・・・・・・
心地よく抱かれていると、うさぎが不意に手を差し伸べた。
「食べてや・・・・俺のもんになって・・・」
京のその顔は陶酔に満ちていて、
俺は促されるままに京の手を口に含み噛みしめた。
食べた瞬間甘い血の味。
「京・・・きょー・・・おぃしい・・・」
「おおかみさんも・・・・」
「堕威って・・・名前・・・・・」
「堕威さん・・堕威も・・・おいしい・・・」
京は内部から、俺は外部から
お互いを浸食し、
その浸度は深みを増すしていつしか俺の上は血だらけ。
京の赤が俺を二度犯す。
「きょー・・・・京・・・?・・・・あぁ、もうおらへんの・・・」
鈍い視界に空がうつる。
「もぅ・・・・他のもんになれんやん・・・でもお前おらんし」
地から起き上がる。
「・・・・仲間、待ってるかな?京も・・・・・」
目の前には崖
「飛んだら、空に登れる?なぁ・・・」
青い空
「飛ぶ・・・・」
白い雲
「・・・・・あかんよな。お腹ん中の京が無駄んなるやん」
残された白濁と血肉
「子供できたりせんかな?ちょうど肉と血もあるし、中たぶたぷやし」
そしてどこか箍が外れた絶滅品種
そう・・・・・俺。
「最後は・・・人間のあの死んで飾られとる奴の仲間になるんもええかもしらん」
やっぱ、死は誇りあるものでないとあかんよ。
「生きて生きて生き抜いてもがいてから死のう。それがええ。京くん待たせるけど。仲間もやけど。大丈夫やろ、ちょっとくらい」
俺はその地に再度ぺたりと腰かける。
「また会おうって言ってから行こ」
そう、再会の遠吠え。
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07月15日(木)
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