ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■極楽浄土
はぃ、久々〜〜〜〜〜にまっじめに短編が書きたくなりました。
そしてやはり薫堕威。
今薫がやっぱり熱い!!
てかうめこや友人の影響なんかもあって弦楽器隊が熱い!
そしてそして
約束破って新作に走ってごめんなさい。
はやく書かなきゃ!
あのおぞましいオリキャラとか出てる強姦ものを!!
そして着物と電車痴漢を・・・(え)
いや、いざ書くとへたれだから全然無理なんですけどね。
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「ほら堕威見てみぃ、船や・・・まるで生きてるみたい・・・」
薫はそう言って俺に薄く微笑みかけた。
+極楽浄土+
俺と薫くんはその日オフで
二人で海へと出ていた。
海といっても船着き場で、周りは漁師の様な風情の男がいるばかりだ。
「堕威、船って面白いよな」
薫くんはそう言っておれをここまで連れて来た。
目の前に広がる満ち潮に浮かぶ船の群れを彼は楽しそうに見ている。
「なぁ、堕威。船ってこうやって船着き場でゆらゆら揺れてるの見てると生きてるみたいやない?今にも海に出たくてうずうずそわそわしてるみたいな」
薫くんがそう言う。
俺は何とはなしに船を見つめた。
「それに・・・・この独特の軋む音が犬みたいな鳴き声でどこかかわええよな」
薫くんはくすくすと笑いながら耳を傾ける。
俺も一緒に耳を傾けた。
「なぁ、聞こえてる?堕威。大丈夫、目は気にせんでええよ」
薫くんは俺の方に視線の定まっていない目を向けた。
それは一か月前の事故で失明した光の無い瞳・・・
俺は悲しくて薫の目を触る。
薫くんはそんな俺の手首をそっと取り、くちづけた。
「大丈夫。大丈夫。お前が心配することやない。俺は大丈夫」
薫くんが言い聞かせる様に言葉を紡ぐ。
そして薫くんはまた海の方へと向いた。
凛としたその姿勢が美しい。
俺も潮の香に引かれる様に海を見た。
青い青いどこまでも青いその海は何故か神々しく
俺を優しく包む様に光を放っていた。
「堕威、知ってるか?海はな?極楽浄土に繋がってるねんで。」
薫くんが眩し気にしながらその光を読み取らぬ目をしかめた。
「海の先がどうなってるかまだ知られていない時代のこっちゃ。死んだ人を小さい船にのせて海に流すねん。そうしたらそん人は極楽へ行けるって。そうい迷信がまかり通った時代や」
薫くんは俺に嬉しそうに話して聞かせる。
俺はそんな薫くんのうんちくを聞くのが好きだった。
だった?
いや、今でも好き。
「でもな、俺は海に果てが有るとおもうし、もしかしたら極楽浄土が有るかもしらんって思てるねん。やってこんな広い地球の広い海やねんで?まだ見てない部分が・・・海の果てが有るかもしらん」
薫くんはそう言っておれの手を瞬間ぎゅっと握ってきた。
俺は驚いて薫くんを見る。
薫くんは泣きそうな笑顔で俺を見ていた。
「それに・・・・今の堕威にはちゃんと有るはずや」
どきんっ・・・
その言葉に不意に胸が鳴動した。
本当は気付いていた。
薫が何を言いたいのか。
何故海に来たのか。
何故船着き場なのか・・・
「堕威にはちゃんと船が有るはずやで?」
薫くんの言葉に俺の瞳から涙が溢れた。
ちゃんと薫くんの姿を見つめていたいのに目がかすんで見えない。
「堕威、泣かんで。お前はちゃんとあっちへ行きぃや」
俺は大丈夫・・・・・・・
薫くんが何度目かのその言葉を口にした時、
俺のそれまで閉じていた口が開く
「か・・・おるくん・・・うっ・・・ありがとう・・・」
俺はそう言うと船着き場の隅っこに有る小さな木舟へと足を向ける。
薫くんはその後ろ姿をじっと見ていてくれた。
背中がじんっと熱くなる程に
俺はそっとその古い船に乗り込んだ・・・
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堕威は涙を流しながら小舟に乗って去って行った。
まわりの船たちはそれを悲しむ様にきぃきぃと泣いている。
いや
悲しんでいるのは俺
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06月29日(火)
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