ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■凹み系3
「あと一歩で危なかったですね」
医師が書き終えたカルテを眺めながらそう言った。
井上と薫はあからさまにホッと息を吐く。
ここは診察室。
井上とリーダーである薫が代表して堕威の状態を医師と相談している。
「あの・・・何日程で退院できますかねぇ?」
井上がおずおずと医師に訪ねる。
「傷的には一週間もあれば余裕で退院できますよ」
医師の答えは二人の想像よりも軽く、
井上と薫の顔が緩む。
「しかし・・・自殺っていうのは精神面が多く機縁していますから・・・」
医師が控えめに言う。
それを聞いて、二人の頬がひくりと引きつった。
コツコツコツ・・・・・・・
診察室を出た二人は無言で歩く。
そして薫がぽつりと言った。
「休み前はあんなに元気やったんに・・・・」
「悩みがある風ではありませんでしたよね・・・・」
井上も小さく応える。
二人とも堕威が感情を隠すのが下手なのは充分知っていた。
彼は考えている事が顔にすぐ出る質だ。
堕威という人物は隠し事が出来る程器用ではない。
二人は俯きがちに並んで歩き、ややして堕威の病室に着いた。
中からは何やら声が聞こえる。
二人はそれに何も考えず、病室に入った。
「あはははは!!!」
そこには大爆笑する堕威と、あっけに取られている3人。
「京くん何言ってるん!?俺が自殺?あはは!変な冗談やめてや!!」
よっぽどおかしいのか堕威はおなかを抱えて笑っている。
「ははっっ・・・あっ薫くんやん!どしたん?こないとこ来て?」
堕威はさも不思議そうに薫と井上の顔を見つめている。
「えっ・・・堕威、お前病院運ばれて・・・・」
「えー!?そない言うてもただの貧血やん!?」
堕威は目を見開き、皆の顔を見ている。
「・・・やったらその腕・・・何?」
京が低く、座った声で堕威に問いかける。
「?倒れた時に捻挫したんやろ?」
それに対し堕威はいたって平然とそう言ってのけた。
京の顔がみるみる青ざめてゆく。
「何・・・?皆して・・・・俺大丈夫やで?」
堕威は幾分か困った様な顔をして周りを見渡している。
薫は一瞬記憶喪失かとも思った。
が、それとは何かが違う・・・・
「そやな、堕威くん元気そうやし・・・皆帰るで」
薫は数瞬考えた後、そう言った。
驚いたのは敏弥と京だ
「なっ・・・」
「それって冷たくねぇ!?」
二人同時に薫に食って掛かる。
薫はそんな二人に有無を言わせぬ語調で言った。
「帰るぞ。ただでさえ仕事詰んどんや、これ以上迷惑かけれん。
ファンにも、スタッフにも・・・・堕威くんにも、な」
薫はそれだけ言うとくるっと踵を返し、スタスタと出て行く。
心夜もじゃあっと堕威に一言言うと部屋を後にしてしまった。
「・・・・ごめんな、敏弥に京くん。俺大丈夫やから・・・・」
堕威は寂し気な顔で二人にそう言うと、バイバイ・・・っと言い手を振る。
二人は何か言いたそうだったが、苦し気な顔にまま堕威に背を向けた。
「また・・・・来るね」
「うん・・・」
「ちゃんと治せや・・・」
「わかった・・・・・」
そう会話を交わすと、足早に外へ出て行った。
最後に井上もじゃあ・・・っ言い、スケジュール表を置くと扉から出ていった。
堕威はその扉を寂しそうに眺めるばかりであった・・・・。
「薫くん!何やあれ!!!!」
京は病院を出た瞬間薫にくってかかる。
「堕威くんかわいそうだよ!!大丈夫とか言って、目が泣きそうだったもん!」
敏弥も薫にそう言ってくいつく。
「・・・・お前ら、変や思わへんか?」
薫がぽつりと呟いた。
心夜は瞼を下しそれを聞いている。
「お前ら堕威くんがあんだけ普通にシラきるん、
できると思うか!?言うてんねん!!」
薫は怒りを露にそう叫ぶ。
京と敏弥はその薫の反応に固まる。
「・・・ほんま二人とも頭に血ぃのぼりすぎ、普通やないよ。堕威くんは」
心夜が溜息とともにそう言って二人を見遣った。
「何や、心夜は堕威くんの頭がイカれたいうんか!!」
京がキッと心夜を睨む。
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01月17日(土)
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