ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■クリスマス・キャロル
はぁ・・・

吐く息が白く濁る

まわりは幸せそうなカップルばかり

その中を堕威は一人歩いていた。

空を見上げると天まで届きそうなクリスマスツリー

『お前ん事好きやってん・・・・・・・』

薫の言葉が頭の中を通り過ぎてゆく

「そない言われたかて・・・今までずっと仲間やったんに・・・」

堕威は小さく呟きトボトボと歩く。

そして今まで薫と過ごした日々を想い出した。

二人で、ギターについて熱く語った日もあった。

旅先の露天風呂でふざけて滑ってしまった事もあるし、

好みの女性感についても話し合った。

そんな時・・・・・・・

「薫くんどない思てたんやろ・・・・・・・」

堕威はそれを思うととても申し訳なく、

浮かれてた自分が恥ずかしくて・・・・・・・・・


気付けば瞳から涙がポロポロと溢れていた。

「ひっ・・・ふぇっ・・・わからへん・・・わからへんよぉ・・・薫くん・・・・・」

そして堕威はとうとう膝を抱えしゃがみ込んでしまう。

びゅうびゅうと吹く風が堕威の縮こまった躯を痛く刺す。

それさえも今の堕威にとっては自分を攻める痛みの様で、

ついついこのまま土の中に埋もれてしまいたいなどと考えてしまう。

ふわっ

そのとき、ふいに背中に暖かく、やわらかい感触。

「堕威くん、こない所でおったら風邪ひくよ」

そして

今一番会いたくない人の声

「!?かっ・・・薫くん」

堕威は驚きのあまりバッと顔を上げる。

「!?堕威くん何泣いてるん!?」

薫は振り向いた堕威の顔を見つめてギョッと目をみはる。

その声で我に返った堕威はまた勢いよく下を向いた。

「ごっ!ごめんっ!薫くん先帰って!俺この顔どうにかしてから帰る!!」

そして薫に対してそう言うと自分はギュッと身をもっと縮こませる。

それを見て薫は痛ましそうな表情を見せる。

しかし数瞬後堕威の腕を勢いよく掴み、立ち上がらせると、

先程堕威にかけたもの・・・・マフラーなのだが・・・を掴み、

堕威の顔をごしごしと拭い始める。

堕威はいきなりの事で呆然としている。

薫は堕威の顔を拭い終わるとそのままズカズカと歩き、

近くに有ったカラオケBOXへと入る。

「ごゆっくりどぅぞ〜♪」

店員がそう言って出て行っても堕威と薫はリストを開かず、

マイクも充電したままで黙って座っていた。

堕威はマフラーで口元を抑えたままチラチラと薫を見ている。

薫はそのままジッと黙っていたが、

数分経って、沈黙に耐えきれなくなったかの様に口を開く。

「ごめん・・・何や困らせたみたいやな・・・・」

苦しそうな呟きだった。

「えっ・・・・・・」

堕威はそれに意味がわからないといった雰囲気で応える。

「やって・・・自分泣いてたやん?俺のせいや・・・俺が・・あんな事言うて・・・・堕威くんが悩むんはわかってたねん。堕威くん優しいから・・・」

薫は自嘲の笑みを浮かべそう言う。

堕威はそれに哀しそうな顔で反論した。

「そんなことないよ!俺めっちゃわがままやねんっ!今回も・・・そりゃ悩んだんやけど・・・・・全然薫くんの事自分がどう思てるんかわからんかってんけど・・・・・・・」

堕威の声が段々小さくなっていく。

「でも・・・薫くんに嫌われたーなくて、好きや言うてくれたんも嫌ちゃうかって・・・・・付合うとかいう前に、俺薫くんと話せなくなったり、薫くんに笑いかけてもらえんよーなるん・・・・・・嫌や・・・」

「堕威くん・・・・・・・・・・」

薫は堕威の方を驚きを含んだ瞳で見つめた。

堕威は俯けていた顔を上げる。

「この気持ちが何やわからんくて・・・頭ぐるぐるして泣いてただけやねん・・・・・」

堕威はそう言って薫の瞳を切な気に見つめた。


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12月24日(水)
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