ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■訣別 禄
訣別


俺は貴方の背中を何時も見ています。
貴方の瞳はいつも彼に注がれているけれど
それでも俺は貴方の事を愛してやまないのです。
貴方を思いもう幾度めの夜が過ぎたのでしょうか?
貴方への思いが日に日に俺に重くのしかかってきます。

どうか振り向いてはくれませんか?

臆病な俺は貴方を振り向かす勇気も無いのですから・・・・・・


訣別  禄


男達が事を終えると同時に堕威は床に倒れ伏した。
堕威の顔は青白く、其処此処に散る痣の様な赤い刻印は肌に痛々しく浮かび上がっている。
足の付け根や、太もも、腹、胸元、顔、頭には白濁した液体がこびり付いていた。
Kisakiはそんな堕威を抱え、口づけをする。
「堕威、辛かったやろ・・・・・・もうこんな辛い思いしたなかったら
俺の元から離れたらあかんで・・・・」
Kisakiのその声は慈しみに溢れている。
『ここで頷いたら楽になれる・・・・』
堕威はその甘美な誘惑に頷きかけた。
が、しかし
脳裏に数年前の苦しかった日々が溢れる様に流れはじめる。
そして、京の笑顔がぼんやりと思い浮かぶ。
『あんな苦しい生活・・・もう嫌や・・・それに・・・今俺は京くんの恋人や・・・!』
堕威はKisakiの顔を見つめると、口の端を歪めこう言った。
「Kisaki・・・・もう俺は・・・お前のもんやない・・・・お前なんか・・・・大っ嫌いや・・・・!!」
その言魂を吐いた瞬間、kisakiの笑顔が凍り付く。
「だ・・・・・い?何言ってん・・・・・?頭冷やせや・・・・ちょっとお仕置きが過ぎたんかな?怖かったんやろ?」
kisakiはそう言って堕威の頭を抱き締めた。
しかし、その指先は小刻みに震えている。
そんなkisakiに痛ましい想いを抱きつつも、
堕威はその肩口をそっと突き返した。
その無言の抵抗にkisakiは呆然とする。
・・・そして
バシィッッッ
堕威の汚れた頬にkisakiは平手打ちを見舞った。
堕威の右頬がじわじわと赤くふくれてくる。
「聞きわけの無いコは俺、嫌いやで、もうちっとここで反省してな・・・・・」
そう言ったkisakiの声音は驚く程冷たく、
堕威はハッと顔を上げる。
目線の先のkisakiの瞳は暗く、容貌は切ない程に無表情だった。
「定期的にさっきの奴ら連れてくるわ。せいぜい遊んでもらいぃ。お前が反省するまで・・・・・・俺はやめんからな・・・・・」
kisakiは堕威の頬を力強く掴み
そう言い放つと、荒々しく堕威の唇を奪い、足早に部屋を出て行った。
無情にもカチャリと鍵の閉まる音が部屋いっぱいに響き渡る。
堕威は悲し気な瞳でその音を聞いた。
コツコツというkisakiの足音が完全に消えた頃、
堕威は膝を抱え、そのまま顔をうずめる。
そして過去のkisakiと過ごした日々を思い出した。
けっして楽しくない日々なかりでは・・・・・ない
むしろ楽しかった日々の方が多いくらいだ。
kisakiと休日に出かけた事、初めて体を繋げた事、
誕生日にはプレゼントをあげ、夜、二人きりで帰った事もあった。
その思い出はすべて涙となって堕威の赤い頬へと伝って行った。
「なんで・・・なんでこないな事になったん?なぁ・・・誰か・・・
誰か教えたってやぁ・・・俺に教えてやぁ・・・!!!」
堕威はポロポロと涙を流し、血を流す想いでそう呟いた。
もう心が擦り切れて耐えられなかった。
kisakiの様に自分も壊れきってしまいたいと思う程に。
堕威はそのまま疲れて眠ってしまうまで、涙を流し続けたのだった。




「kisakiさん・・・・」
堕威を監禁した部屋から出、廊下を歩いていると
kisakiを呼び止める事がした。
「なんや?ジュイ・・・」
声の主はジュイという男だった。
ジュイはkisakiのレーベル会社に在籍している
ヴィドールというバンドのボーカルである。
ジュイはkisakiに何か言いたいのだろうか、バツの悪そうな表情だをしている。
「えっと・・・・あのっ・・・!!」
ジュイ意を決してkisakiに何かを言おうとしたのだが、
そのまま俯き言葉を飲みこんでしまった。

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09月24日(水)
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