ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■訣別 伍
白の中に
一粒の黒い滴が落ちる
それは一つの染みとなり
まわりへと浸食されていくのだ…
決別5
「ん………」
堕威が意識の底から浮上し、目を開けたそこは、
一面黒く染め抜かれていた。
何が有るのか、どんな部屋かもわからない状況に堕威の身は竦んだ。
胸元や太ももに直に風の流れを感じる。
それにより、堕威は自分がまる裸である事に気付いた。
部屋の中には淫蕩な雰囲気が漂い、かすかに甘い香りがしている。
何だかあの時の部屋に似ている
堕威はその事実に震撼した。
「にっ・・・・逃げな・・・・・!!!」
堕威は床から起き上がり逃げようと試みた、
が
ジャラッ・・・・・
「なっ!何やこれぇー!!!」
堕威の手足には枷が嵌められていたのだ。
それを見て、堕威は目を見開いてそう叫んだあと
ずるずると床に崩れ落ちた。
そして目を細めて空気を求めるかの様に天を仰ぎ見る。
しかしそこに広がっているは暗い天井ばかり
その時の堕威の姿はまるで足をもがれ、
箱の中に閉じ込められた小さな野鳥の様であった。
堕威の頬に一筋の涙が伝う、
その姿はとても崇高な物に見える。
ガチャリ・・・
その神聖な場に土足で踏み居るかの様に光の筋が部屋に走った。
それは、どうやらこの部屋の出口となる扉から伸びている様だ。
堕威がその先を見遣ると、そこにはKisakiが立っていた。
「堕威、起きたんや」
Kisakiの顔には歪な笑みが浮かんでいる。
堕威はその笑みに震える自分を御える事ができなかった。
しかし、いつまでも過去にばかり捕われ、
震えている程堕威も弱い人間ではない。
この恐怖に打ち勝つという強い意志が彼の中には潜んでいた。
震える体を鼓舞し、キッとKisakiを睨む。
しかしKisakiは何ら変わらぬ風情でそれを見つめ、歩いてきた。
堕威はジリジリと後ずさる。
「どしたんや?堕威、俺ら・・・俺ら恋人やないか・・・」
それを聞き、堕威は驚愕した。
『Kisakiさんはまだ俺と付合ってる気なんや・・・・・!!』
別れたと思っていたのは自分たちばかりなのかと・・・・・・
堕威は今さらながらに気付く。
多分・・・・Kisakiは壊れてしまったのだ。
あのとき
堕威の事が好きすぎて、
堕威の拒絶があまりにも苦しくて、
堕威を忘れる事など到底出来なくて・・・・・・・
堕威はその事で
自分の中に有るKisakiへの想いが
少々揺さぶられるのを禁じ得なかった。
自分のせいでこんなになるなんて・・・・・
堕威はその時、確実にKisakiへのガードを解いていた。
彼への憐愍と今は亡き恋心の欠片の様な思いと・・・・・・・
それらが彼へのガードを緩める起因となった。
「でも・・・・堕威は京と浮気したよなぁ・・・・」
Kisakiは壁に堕威を追い詰めそう言う。
堕威はその言葉に息をのんだ。
そう
Kisakiは壊れているのである。
もう、話し合いでは・・・・・
言葉では彼を説得するのは難しかった。
「なぁ・・・堕威は悪い子やなぁ・・・こないだのお仕置きじゃあ
足りひんかったんやな・・・・」
Kisakiが愛おしそうに堕威の頬を両手で包む。
堕威はそんなKisakiを目を見開き、凝視した。
「可哀想やけど・・・・もっかいお仕置きする必要が有るなぁ・・・」
堕威の頬が引きる。
脳裏には数年前のあの忌わしい行為がチラつく。
「お・・・・・仕置き・・・・」
堕威の口から我知らずと、言葉が漏れる。
「俺もほんまはしたないねんで?でも・・・・・
俺から離れようとする堕威がいかんのや・・・・・」
そう言うKisakiの後ろを堕威が恐る恐る覗く、
そこには、下卑いた笑みを浮かべる男達の姿
「いっ・・・・・・・いやぁあああああ!!!!」
堕威の悲痛な叫び声が部屋に響き渡った・・・・・・・
つづく
すいません!伸びまくりです!!!
でも此処は細かく書きたかったんです。
こう・・・・・雰囲気出したかった!!!
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07月06日(日)
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