ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■304号室、白死の桜(---×堕威)
---何も見ない---
---何も聞かない---
ただあの桜だけ・・・・
ふわふわと浮いてるような感覚
気持ちよくて、それに身を委ねたくなる。
隣に誰か立っているけど、
誰なのか思い出せなくて・・・
俺はまた桜を眺める。
隣の君は俺の手を強く握っているね。
すると・・・何故か熱い滴が頬を伝った。
君の煙草の薄い香り、
何故か鼻孔に心地よく、
その香りだけで胸が切なく痺れた。
その黒く美しい髪から
俺の好きな花の香りがする、
どこかに隠しているのだろうか?
誰も見つける事の出来ない所に・・・
君はいつも来てくれるね、
俺は段々・・・・・思い出してきたのかもしれない
君が隣に居るとひどく落ち着くんだ。
君が口づけをしてくれる度、君が首を強く吸う度、
君がこの痩せた醜い体を喰む度に・・・・・・
君の事が愛おしくて、懐かしくて・・・・
その時、
一段と強い発作が俺を襲った時、
隣の君の事、ちゃんと思い出せたよ。
君の口癖、君の性格、お前の・・・・名前
お前・・・いつも見てくれてたんやなぁ・・・・
お礼・・・言いたいけど・・・・・・
苦しくて声も出ぇへんわぁ・・・・・・・
桜・・・・綺麗やなぁ・・・俺あそこで逝きたいわぁ・・・
お前が隣おって、桜の花びらいっぱい有って・・・
もう、お前の事忘れへんからな・・・
桜の下・・・あそこでずっとおるで・・・・・
やけん、お前も忘れんように・・・・・
会いに来てな・・・・・・
あぁ・・・綺麗やな・・・・・
「堕威くん・・・・・・」
僕の腕の中、堕威くんは幸せそうに眼を閉じた。
「綺麗やな・・・・」
一言、幸せそうに呟いて。
「堕威くん・・・な・・・に言ってるの・・・また桜見ようって言ってたじゃん・・・まだ華も・・・桜の華も咲いてないのに・・・・!!先に逝くなんて酷いよ・・・!!」
僕は堕威くんの身体をぎゅっと抱きしめる。
そうしながら外を眺めると、
桜の下に・・・・彼が居た。
「そっ・・・堕威くん其処に逝っただけなんだ・・・・俺も・・・・・俺も逝くね・・・うん、すぐ行く・・・」
窓から見えるその桜、
一番速く行けるのは・・・・やっぱり窓だよね・・・?
そして躰は大きく宙を舞った
桜の下で、また会おう・・・・・・
END
10月12日(土)
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