ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■窓の月(敏×堕威)  ふじもる作
いつもその窓は閉じられていた。
カーテンは常に閉じられたままであった。
彼の家のその部屋は・・・禁断であった・・・。

+窓の月+

目を開けると彼は俺の横で眠っていた。
長かった深紅の髪の毛は今はもう亡い。
短く切られた彼の髪の毛はどこか物足りなさを覚えた。
この部屋の窓は決して見る事ができない。
彼が酷く怯えるから。
薄いカーテンの向こうから小さな月光と彼岸花の赤がパラパラと入ってくる。
その先が凄く気になって・・・・・
誘われて・・・・・
俺は窓へと歩み寄る・・・・。
「としや・・・・!!」
振り向くと彼が儚げな瞳で俺を見ていた。
カーテンへと伸ばした手を下ろし彼に微笑み返す。
それでホッとしたのか彼も笑みを返してくれた。
俺は彼の方へ歩み寄り、抱きしめてあげる。
彼は不安をかき消すかの様に俺の肩をぎゅっと掴んできた。
そのままあやすように彼を抱きしめ続ける。
彼の体温と俺の体温がまざりあい夜へと溶けていった・・・・。

意識が浮上して、
目を開けると彼は居なかった。
ぬくもりを探り、辺りを見回した瞬間嫌な光景が目に入る。
この部屋の窓は決して見る事ができない。
彼が思い出してしまうから。
薄いカーテンの向こうから小さな月光と彼岸花の赤がパラパラと入ってくる。
その先がとても怖くて、
俺は彼の名を呼んでしまう。
「堕威くん・・・」
彼はそう良いながら振り返ってくれた。
窓にはもう興味無いのか手を下ろし微笑んでいる。
俺もそれで張りつめたものが落ち、微笑み返す。
彼がこっちへ歩み寄り、俺を抱きしめる。
彼の事が心配で、不安で、俺は彼の肩を強く掴んだ。
彼をあやすように俺を抱きしめ続ける。
彼の体温と俺の体温がまざりあい夜へと散っていった・・・・。

それは隠された過去。
それは見てはいけない代物。
過去の痛みを忘れる為には何かを代償にしなければならない。
それはあの窓から見える彼岸花。
目に焼き付いた窓の月。

心(かれ)の痛みと身(おれ)の痛み

痛みを隠すカーテンひらり・・・・・・



END
09月28日(土)
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