ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■夜行路
提灯は明るいのだがあまり遠くを照らさない。
風や動物の動きで草がザッと鳴るのにドキリとさせられた。
ざっざと道を歩く。
まだ林道は続く。
どんどんと道を進む。
まだ林道は続く。
そうやってひたすら林道を歩いているとやっと視界が開けた口が見えた。
林道の中と違い月の光が直にあたるそこはここよりも少々明るい。
それを見てあからさまにほっと息をつく。
そしてそこに向かい速度をあげようと足を進めた瞬間、ぞくりとしたものが背筋を通り抜けた。
首筋に触れる冷たい指の感触。
どきりとした。肝が潰れるかと思う程驚いた。
品定めするかの様にうごめくそれ。
冷たく乾いているのになぜかぬめる印象を与える。
その感触に俺の体は金縛ってしまう。
段々と俺の肌をつたい、指は下に降りていく。
肩、鎖骨、胸元へと指が下ると同時に俺の背後の存在感が濃くなってゆく。
冷たく冷えた腕が俺の首筋にあたり、項を細長い舌がちろりと撫でた。
俺はあまりの事に動けないどころか、体に震えがきている。
「振り向けや」
ふいに背後の腕の主がそう言う。
その声は人間の様でありながら、どこか違和感のある声であった。
耳を塞いでも脳に響いてきそうな………しかし不思議と心地よい声であった。
首筋を執拗に舐められる。その舌は細いだけではなく異様に長かった。
あたかも蛇のそれの様。そう思った瞬間脳裏に白く美しい一匹の小さな蛇が思い浮かぶ。多分それがこいつの正体。
胸元まで降りた指がゆるりと乳首を弄び、長い舌が首筋を這う。
そして時々耳元で囁く。振り向けと。
それら全てが俺の中の何処かから喜悦を呼び覚ます。
今まで感じた事のない快楽。こんなもの、俺は知らない!
足腰はとっくに砕け今にも地に伏してしまいそうなのに、腕は俺を器用に支えている。
「あっ…んんっ」
俺の口からは言葉にならない声がついて出るばかり。
そしてまた耳元に聞こえる誘いの声。

「振り向けや」

俺はその声にとうとう背後を見やる。
そこには泰然とした笑みを浮かべる目つきが鋭く唇の薄い男。
長い舌でちろりと唇を舐めるのが目に入った。
俺はその姿に目眩を覚える。
魅せられるとはまさにこういう事なのだろう。
袈裟がゆっくりと落とされ、中で纏めていた髪がばさりと落ちる。
染料の匂いが鼻についた。
しかし俺はそれも厭わず背後の人ならざる者を見つめる。
「食らい尽くしたるわ」
ふいににやりと笑い囁かれた。
俺はその瞳にうっとりと笑みを浮かべゆっくり瞼を閉じる。
腕がぎゅっと俺の体を抱き込む。
全ての力を抜いてその腕に身をまかせていく。
それと同時に意識は遠のいていった。



END


薫堕ですよー。
恐怖!男色蛇妖怪薫!!と赤髪のナイト堕威ちゃんですよー。
ナイトっちゅーか姫っちゅーか。
つぐみでした。
あ、何か時代設定とか言葉使いとか破綻しててすいません。

06月11日(日)
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