ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■心バ
からからと笑いながら次々とまくしたてる様に喋る堕威くん。
俺はそんな事であんなに焦らされたのか…
聞いていて段々脱力してしまっているのを自分でも感じた。
「ん?どうしたん心夜?」
しかし堕威くんにはあまり俺の心情は伝わっていない様子。いつもの事やけど。
「いや…何でもないよ…でもあんまり焦らさんといてや…」
俺は溜め息と共に堕威くんに笑いかけ、そう言った。
堕威くんもそれに素直に頷いてくれた。
そして二人とも沈黙してしまう。
俺は立ち上がり、堕威くんのそばまで行くと隣に腰かける。
堕威くんは俺が座りきるのを見計らってぎゅっと抱きついてきた。
「なー?嬉しい?」
堕威くんの言葉。堕威くんはいつも自信たっぷりに物を言う。
「ん。嬉しい。ありがとぉな」
俺は堕威くんに抱きつかれたまま堕威くんの方に顔を傾ける。
すると俺の頭が堕威くんの額にくっつき、堕威くんがくすぐったそうに笑う。
俺は甘いムードになる瞬間というのがけっこう好きだ。
今の状況はけっこう悪くない。
「あっ心夜!プリン!どいて!プリンどこー?」
…………
しかしいつもこうやって堕威くんに良い雰囲気を壊されるのが難点だ。
袋をひろげ、中からプリンを取り出して嬉しそうにパッケージを開ける堕威くん。
その姿はとても無邪気。
嬉しそうに安いプリンを口にする彼は本当に可愛いと思う。
「堕威くん美味しい?」
「ん、美味しい」
俺の問いにそう答えてもう一口。
俺はそんな堕威くんの食事風景を見つめる。多分顔はニヤけている。
そうしているとふいに堕威くんが俺を見てきた。
俺が見つめているのが嫌なのだろうかと不安になる。
しかし堕威くんはそんな俺の不安をよそにプリンをまた一口。
そして、俺の方にいきなり近付いてきたかと思うと俺の口にキスをしてきた。
堕威くんの口の中から何か緩い固形物が入ってくる。先ほど口に入れたプリンだろう。
俺は流れてくる勢いのままそのプリンであろうものを飲みこんだ。
堕威くんの唇は俺の口の中にソレを入れるとすっと離れていく。
あまりの事に俺は呆然とする。
そして数瞬後不覚にも赤面してしまった。
堕威くんはたまにこうして大胆な事をしてくる。
俺は毎回それで赤面してしまう。
「心夜、ぷりん美味しかったやろ?」
そして少々パニクってる俺に堕威くんはいつも平然と声をかけてくるのだ。
「もー…ほんま堕威くんには適わへん…」
俺は脱力して背後のぬいぐるみに倒れこむ。
堕威くんもにこにこ笑っておれの真似。
二人してぬいぐるみに頭を預け懐いている姿は他人が見たらさぞ異様だろう。
「あーあ、ほんま堕威くんには一本取られっぱなしや」
俺は堕威くんの髪の毛を指で掬い、いじりながらそう呟く。
堕威くんはそんな俺の行為にくすぐったそうにするも、拒否はしない。
「やって心夜はいっつもベットん中で俺から一本とってくんやもん」
堕威くんは事もなげにそんな事を言う。
堕威くん…それはちょっと親父発言やで。
「何親父ギャグ言うてんねん。ダサっ」
俺は堕威くんにそう言うといじっていた髪の毛を手放し、堕威くんの額にでこぴん。
堕威くんはいたぁっ!と大げさに言い俺をジト目で睨み付けた。
「どーせ俺は親父やもん。もう若くないもん」
唇とんがらしてこの人は何を言っているのか…
可愛らしいにも程がある。
「そんな言わんでも…堕威くんは年齢おっさんでも見た目も中身も可愛いから大丈夫やで」
今度は堕威くんの頭をぽんぽんしてやる。
「ホンマ?んふっ♪」
すると今度は一転して嬉しそう。
本当にコロコロと表情が変わる。
「あー俺もーあかんわ。男に可愛い言われたら嬉しいやなんて。それもこれも心夜のせいや」
堕威くんは嬉しそうな顔のままそう言う。
「素直でええと思うよ」
俺は堕威くんにそう言ってやる。
そしてまた頭をぼんぼんしたげた。
堕威くんは俺の肩に頭を預けてくる。
俺はそれを甘んじて受ける。
「改めて、おめでとーな?心夜」
「うん」
「大好きやで?」
「うん」
「心夜は?」
「好きやで」
「そう…」

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03月05日(日)
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