ID:31657
to Die
by 293とうめこ
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■産前の痣
自分が意識だけの存在ではなく、れっきとした身体が有る事を。
しかもよくよく見てみれば…薄桃色の着物を着た………それは女の身体であった。
遠くから来る彼は俺に会いに来ていた。しかも彼は……あの人の前世の姿の様だ。
直感的にそう感じる。
顔の造りも造作も違うが、見える者である自分にはわかるのだ。
彼は走って俺の目の前まで来ると、きょとんとしている俺の手をとり、にっこりと人のよさそうな微笑みを浮かべた。
探したんだぞ、今日は二人で遠駆けに行く約束だろう?
そう言うと彼は俺の手をにぎったままくるりと元来た方に向き直り、手を引いて歩きはじめた
戸惑いながらも、心地よい手のぬくもりにまかせ彼に付いてゆく。
彼は物言わぬ俺に対し驚くほどよく喋った。
あたかもそれが自分の仕事であるかの様に長い間一人で喋り続けた。
そして
ふと会話が途切れた時
「すまんな、いっつも喋り過ぎてしまう」
ぽつりとそんな事を呟いた。
俺はそんな彼を可愛く思いながら、首を振る。
するとせれがわかったのか、彼はこちらを向いてにっこり笑った
「お前はいつも優しいな」
−−−−
−−−−−−−−
−−
そこで流れる様に一瞬意識がホワイトアウトし、気がつけばそこは元の寝室であった。
手に握ったままの携帯を見る
AM5:30
15分近く見ていたのかと自分で驚いた。
そのまま携帯をコンソールに戻し、隣に寝る彼を見つめる。
まだ彼は眠ったまま
………恐かったけれどもう一度彼に触れてみた。
何が待ちかまえているのか、そんな不安と、先ほどの続きを見たい、そんな期待が入り交じった感情にまかせて。
しかし触れても今度はいつも通り何も起きず、ただただ彼のぬくもりが伝わるだけであった。
少々落胆したものの、これでよかったのだとすぐに考えなおす。
これからずっとあれが続くのは正直辛いものがあるから。
俺はそう考えながら彼の背中を見つめ、おもむろに彼の胴へと腕をまわした。
小さい彼の身体、しかしながら何故こんなにも頼り強いのか。
俺は身を預ける様にぎゅっと抱きしめた。
あーあ、久々に見たら疲れたわ……
時間も有るし、もっかい寝よ
で、次に起きたら言うてやるんや
薫くん、俺久々に見たんやでって………
それは朝のほんの20分足らずの出来事でした。
END
ほんとは掲載する気なかったんですが、更新する気持ちと書きたい気持ちが反比例したので持ってきました。
他のストックも消化しなきゃなのに。
03月30日(水)
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