ID:30149
日々是修行也
by 弥勒(みろく)
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■参考情報(ムチ打ちの刑)
Coffee Break!

シンガポールの鞭打ちの刑を体験した中国人の手記があったので転載しておく。(ソースが消える可能性あるので、、汗)
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私は昔新聞で、アメリカの青年がシンガポールの法律を犯して鞭打ちの刑になり、当時のアメリカの大統領が容赦を求めたが、シンガポール政府はそれに同意せず、その青年への鞭打ちの刑が執行されたという記事を読んだことがある。
数年後、私もシンガポールの鞭打ちの刑を受けるとは思ってもいなかった。
シンガポールは経済が発達し、環境も美しい国だと聞いていたので、そこで仕事を見つけてお金を稼ごうと思い、福建省からシンガポールに渡航した。 親戚の協力を得て水道工事の仕事を見つけ、一ヶ月で約一万元(約14万円:中国都市部の平均給与の4倍以上)を稼いだ。 ただし、私の持っていたのは観光ビザだったので、シンガポールでは十四日間しか滞在できない。 しかし、大金を稼げるという大きな魅力があったので不法滞在を決めた。
シンガポールの警官は実に多い。三ヶ月もしないうちに抜き打ち検査に遭って警察に逮捕され、法廷で裁判官は私に鞭打ち四回の刑を下した。
その日、私は待機室に連れて行かれた。 部屋に入る時に、刑を受けたばかりの二名の大男と出くわしたが、彼らはすでにフラフラで、お尻には血が滲み、隣の医療室に運ばれて治療を受ける所だった。 私は緊張で泣きそうになり、震えながら待機室に入った。 部屋には先客が三人居て、一人は中華人で、残り二人はインド人だった。
部屋の中は静か過ぎて怖い。誰も話をしない。 しばらくして一名の中華人警官が入ってきて、英語で何かを喋ると、一名のインド人が一緒に出ていった。 しばらくすると、隣の部屋から鞭の音がはっきりと聞こえてきて、続いて甲高い叫び声も聞こえてくる。聞くだけでぞっとさせられる。 四度の鞭のあと、そのインド人はすでに号泣が止まらなくなっていた。
数分後、あの警官がまた来た。今回は私を呼んだ。彼は先に英語で私の名前を呼んだあと、中国語でも呼んだ。私は急に緊張しはじめた。
私は彼に付いて受刑室に進んだ。それは恐ろしい部屋で、今でも思い出すと依然として薄暗くて不気味な恐怖を感じる。 部屋正面のガラス壁には数十本の皮の鞭が掛けられていて、すべて長さは九十センチほど。地面にはしっかり固定された足錠がある。 執行人は二名のマレーシア人で共に体はがっちりしている。彼らは上半身裸で、虎視眈々と私を見つめていて、とても恐ろしい。 私は当時、虎穴に入り込んだ小羊の様な感じで、悲しくも助けは無い。
警官は私が顔面蒼白になっているのを見て、慰めるように「怖がることはない。すこし我慢すればすぐに終わる。」と言った。
彼の言葉を聞いて、私は急に何も怖くなくなった。どのみち叩かれるのだから、いっそのこと開き直ればよいのだ。 二名のマレーシア人が歩み寄ってきて、私の手を上部の鉄パイプに、腰はベルトで突き出た鉄管に、両足も固定され、九十度の角度でうつぶせにされる。 一人のマレーシア人が革の鞭を持ち、私の後ろ二三メートルの位置に立った。 彼は両手で鞭を持ち、両足で前後左右にジャンプし、まるでボクシングのようだ。そして”ヤーヤー”という声も出している。 突然誰かが”one”と叫んだ。”パン”という音だけが聞こえ、鞭は確かに私のお尻を叩いていた。非常に強い力で、とてつもない痛みで叫ばずには居られなかった。私は自分がこんな聞き苦しい声を発することが出来る事をそれまで知らなかった。 私は全力を尽くしてもがくが、体が固定されているので、両手で必死に鉄パイプを掴む以外には何も出来ない。
続いて第二発。目がくらみ、またも耐えられなかった。私はあえぎながら”叩かないでくれ・・少し軽くして・・”と叫んでいた。 三発目が振り下ろされたとき、一種の形容できない傷みが私を涙させた。人が死んでいくのと同じ様な感じで、満面涙で濡れた。
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01月31日(木)
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