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日々是修行也
by 弥勒(みろく)
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■** 貴重な体験談
ハプニングバーの摘発の危険性は知っていましたので、万が一のことを考えて、もし、警察に連れて行かれた時は、身元引受人は比較的、近辺に住んでいた姉に頼もうと思っていました。

ただ、釈放された後に、弁護士へ相談に行った時、身元引受人のことを尋ねましたら、本当は、身元引受人なんていらないんですけどね、警察は、必ず、そう言うのですよね、と言われました。

法律的には、弁護士の言う通りなのかもしれませんが、実際は、身元引受人がいないと、帰してもらえないような感じがします。

ある意味、これも警察の意図というか、逮捕されると、こういうことになるんだぞ、という今後への戒めのような、そういうものなのかもしれません。

ですが、弁護士への相談は、私の不安な気持ちを消してくれました。初めての逮捕で、わからないことばかりでしたので、ネットでいろいろ調べる毎日でしたが、いろんな情報を得ることはできても、反って混乱していましたので、弁護士からの回答は、とても安心できるものでした。


その日の取り調べは、5〜6時間に及び、終わる頃には、私には、もう、ほとんど思考能力はありませんでした。とにかく疲れ果てていました。

そして、私は、留置所の、ある一室に連れていかれ、そこで、留置所の警察官が、私の所持品の一品一品を私への確認をとりながら、事細かに記録をするという作業があり、これが結構時間をとります。

それが終わると、所持品と共に、身につけているものは、下着も全部、警察で保管され、私は、警察で用意された下着と衣服に着替えさせられました。

着替えさせられるまでに、留置所における規則書のようなものを読むように渡されましたが、ほとんど、頭には入ってきませんでした。

それが終わると、ようやく留置所の中に連れていかれ、自分で布団を運ばされて、留置所の部屋に連れていかれました。

留置所の消灯時間を過ぎていたので、全ての行動を静かに行うように言われました。部屋には、2人が就寝されていました。私は、布団を敷いて、やっと眠れると、ぐったり布団に横たわりましたが、結局、朝まで、ほとんど眠れません。いつ家に帰れるのだろうか、そのことばかりが頭にあります。

次の日、同室の方との会話や、留置所での一日のスケジュールをこなしていく中で次第に、私は、もしかしたら、今日も釈放されないのかもしれないと不安になっていきました。

逮捕されたことが、家族、知人、友人に知れることになるかもしれないと、そのようになった時のことを考えて、いろんなことの覚悟をしだします。

ただ、どうしても、本日中に連絡をとっておかないといけない重要な用事があり、それだけは、どうにかしたかったので、とても困り果てました。

それで、部屋の方に相談すると、ある弁護士の方を教えて頂き、警察官に、法律事務所と弁護士の名前を告げて、来て頂きたいと要求すると、すぐに、連絡をとってくださり、本日の夕方までには来てくださるということで、ようやく少しホッとしました。

昼食後に、また、取調べで、取調室へ連れて行かれました。昨日の取り調べの補充みたいなものでしたが、主に、店のことを聞かれたように思います。

取調べが終わると、別の部屋へ移動させられ、そこで、写真撮影と指紋採取をされました。

そして、また、留置所の部屋に戻されました。留置所では、本を読んだりしていましたが、ちっとも入ってこず、心も身体も置き場のない感じで、途方に暮れるというか、今までに味わったことのない孤独感というか、圧倒的な力の前に何もできない無力感というようなものを感じておりました。

でも、同室の方とのコミュニケーションも、だいぶとれてきて、どうにか、置き場のない自分をまぎらわせていた頃に、警察官から呼ばれ部屋を出ると、最初に連れてこられた留置所の一室に連れていかれ、釈放ですので、着替えるようにと言われました。

保管されていた、所持品の一品一品の返却確認をしながら着替えましたが、釈放される安堵感と一刻も早くこの場を出たいとの思いで、ものすごい速さで着替えたように思います。


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09月02日(火)
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