ID:27426
雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
[164726hit]
■いつもより離れる気がしますか
やり場のない感情を振りかざしたまま、
携帯を睨み付けている俺。
甲板で波に揺られながら、
肌寒いやませを受けて気を鎮める。
さっきまで繋がっていた携帯が、
突然ぷつりと切れた。
アンテナは既に、
一本も立たなくなった。
最初は当然のように、
朝までの別れを覚悟していた。
けれども・・・
下手にアンテナが立ってしまった。
だからこそ、
急にお前と繋がる糸を切られた感じがして、
余計に寂しさがつのる。
イカ釣漁船の明かりで照らされた暗闇の海・・・
絶える事のない波飛沫の音・・・
ついさっきまでは、
高揚感を鎮める優しい綿だった物。
今は眩しく、
今はうるさい。
いつも離れているけれど、
それでもどこかに出掛ける時は、
妙にアイツが恋しいらしい。
お前の温もりから離れてしまった気がして、
不安になる。
旅先はアンテナが立つんだろうか・・・
08月02日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る