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マシンガン★リーク
by 六実
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■『そんなにかっこよかった?僕が』
お昼休みからこんにちは。
びっくりするぐらい仕事が落ち着いています。もとい今日も職場に人がほとんどいないんですが(笑)(納期終了につきパートナーさんの契約切れおよび残存メンバー代休消化中)。
何度も何度も何度も何度もこういういわゆる「火事場」に放り込まれているので、どんなにひどい状況でもどんなに厳しい状況でも必ず終わるときはくるというのはわかっているんです。色々なものを巻き込んでいろいろなものを犠牲にしながら、なんだかんだで終わるときはあるんです。でもその状況下にいる時はそうは思えなくて何度も何度も何度も何度も心身ぼろぼろにしながら働いています。わかっているんだから、もうちょっとコントロールできればいいのにねってできねえよだめじゃん。
わかっていてもそれを繰り返してしまう、それをジェラシーと呼ぼう(全然違う)。
でも終わりが来てもまた始まるんです。そういう仕事です(半笑)。
ところで今日、夢に涼さんがでてきました。
星組ショーか何かで皆がでている中、涼さんだけが白馬にのって出てきました(大爆笑)。
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[星組全ツ記念SS劇場]
『最期のスープ』
君は、今台所に立っていてスープを作っている。
この混乱の状況下で厳しい食料事情の中、少しでも王妃に食べていただけるようにと、毎日スープを作っている。もう何日も王妃はそれを口にはしない。それでも君は毎日スープを作る。少しでもお口に合うように、少しでも食べていただけるようにと。
ふと、リズミカルに野菜を刻んでいた肩が止まった。そして肩が震えた。わかっている、泣いているのだ。王妃の身の上を思い、王妃の心を思い、もしかしたらこれが最期のスープになるのかもしれないと思い、泣いているのだ。
俺は、その背をみつめることしかできない。俺には何もできないからだ。
初めて王妃と言葉を交わした時、俺はとても驚いたのだ。そこにはただの普通の女がいた。あれほど俺たちが憎み恨んできたブルボン王朝最後の王妃……毎朝、既に断頭台の露に消えた夫の為に祈り、片時も忘れない引き離された子供たちを思う。妻であり、母であり、そこにはただの普通の女がいただけだった。
もしかしたら、俺たちは何か間違いを犯しているのではないだろうか。しかし紛れもなくその女は王妃だった。フランスを破滅へと導いた、アンシャンレジームの頭角。それは今このフランスでうごめく歴史が証明しているのだ。けれども。
ただひとつわかった事は、彼らもまた人間であったのだ。彼らが俺たちを人間とみなさなかったように、俺たちもまた彼らを人間とはみなしていなかったのだ。同じ人間なのに、それがこの悲劇の始まりだった。そんな簡単な当たり前の事を、彼らも、俺たちも知らずにここまで来たのだ。
ありがとうベルナール、と差し出した王妃の手は、あんなに暖かかったのに……。
そして俺は何もできずに立ち尽くしているだけだ。今も。
うつむいてじっと震える君が動いた。きゅっと、手の甲で涙をぬぐったのがうかがえる。そしてきりっと顔をあげると、またリズミカルに野菜を刻む。君はなんと強いのだろうか。オスカルは君を春風と称した。けれども春風は、ただ優しく吹くのではなく、全ての命の芽吹きを誘うほどに強いのだ。その強さが俺は好きだ。俺はその強さに何度も何度も救われた。
その風が、今時代の嵐の中に放り込まれている。嵐をとどめることはできないから、だから俺は春風を守ろう。共に嵐に吹かれ飛ばされようと、きっと君は春風のように微笑むだろうから、俺は君と一緒に嵐の中をゆこう。いつかまた芽吹きの季節がやってくるまで。
「お、うまそうだな」
ロザリーに近づき、味見とばかりに鍋に手を伸ばしたら、お行儀が悪い、と軽く手をはたかれた。そこで顔が合う。ロザリーはもう泣いてはいない。俺を見て笑っていた。
涙も笑顔も、君の思いはきっと王妃様に届くだろう。
俺はロザリーにそっと口づけた。
「王妃様、せめてスープだけでも。ロザリーが心をこめてお作りしたのです」
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10月05日(水)
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