ID:26167
マシンガン★リーク
by 六実
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■時代という名の悍馬
そこで夢は途切れた。いや、自分で途切れさせた。眠りの中にあっても覚醒していた意識が、わたしに警鐘をならした。誰かが枕元にいる。とっさに枕の下のデリンジャーをつかみ、その気配に押し付ける。
「わたしよ」
パイーヴァだった。
何度も言っているはずだった、わたしの傍に気配を消して立つな、と。わたしの後ろに立つなとも。訓練されたわたしの身体は、それを察した瞬間に銃口を向けるのだから。
もう一度、言い聞かせなくては、しかし彼女はわたしをぎゅうと抱きしめた。
また、息子を思って情緒不安定にでもなったのか。前にもあった、潜伏先のホテルで同じ部屋で眠った時、彼女は夜中に起きて部屋の隅でずっと泣いていたのだ。手には息子の写真、その泣き声にうんざりしながら、夜を明かしたことが何度もある。そんな感傷は、任務には不要ではないか。どうしてこの女はそれが、わからないのだろうか。
パイーヴァの手が、わたしの頬に触れた。
「泣かないで、」
パイーヴァが言った。
本当に引き金をひいてやろうかと思った。この女は勘違いしている。わたしが母の夢をみたからといって、そして泣いていたからといって、それは任務にまったく支障をきたすものではない。だから彼女には関係ないことだ。わたしを監視する彼女にとって、無意味なことにすぎないのだから。
けれどもその腕を振り払えなかった。
パイーヴァの身体はやわらかくあたたかで。
それはまるで……いや、それは錯覚なのだ。失われた記憶が呼び覚まされたのとは違う、最初からない記憶が、母の記憶がここに思い出される訳がないのだ。
それでもその腕を払えなかった。
ただわたしはこの情緒不安定な女の息子の代わりに抱きしめられているだけなのだと、それにつきあってやっているだけなのだと。そしてそれは任務に支障をきたすものではないのだと、
その腕を振り払えなかったのではない、振り払わなくてもいいのだから。
だから、わたしはそのまま動かなかった。
彼女の胸に顔を埋めながら思った。
これもまた、任務なのだろうか。
母がわたしを生んだことも、彼女が息子を思うことも、わたしと彼女に女であるが故の「できごと」が起こっていることも、
そうでなくては、説明がつかない。
けれどもその疑問に答えが出る前に、わたしは彼女の胸のなかで再び眠りに落ちた。
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……消化不良……っ!(無念、でもあげておく)
パイーヴァ×タチアナ。タチアナ×パイーヴァではないところがポイントですっていうかかけざん順序以前にこのかけざんのアリナシ自体が問題だと思うよむっさん?
つうかどんどんわかりにくい方向に萌えてんなぁ自分……。
06月17日(土)
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