ID:26167
マシンガン★リーク
by 六実
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■時代という名の悍馬
 千秋楽のカンカンの場面で、マリーノが感極まって泣きそうになりながら踊っているのに、最高にまりのゆい部魂が燃え上がりました。すごいコドモみたいだった。まりのゆいさんは、時折びっくりするぐらい「コドモ」になりますね(ex中日王家のフィブライール)。外見はものすごく年相応だと思うのに、芝居をすると今回のパイーヴァみたいな大人な女性もできるのに……っていう事を考えていたらマリーノがAKIRAに出てくる外見は年寄りなのに中身はコドモのアレに見えてきた……マリーノの事を例えようとするとどうしてこう全く誉めてない感じになっちゃうんだろうか……(真顔)。












 で、やっぱりSSも始まってしまうわけですが。




















[フェットアンペリアルSSそのさん]


 部屋に戻ってきたその顔を見て、危惧していたことが回避されたことを知る。
「医者の予約は、取り消しておくから」
 場合によっては、その医者そのものを消さなくてはならない。あの堕胎医はどこまでわたしたちの事を知ってしまったのかによっては。
 彼女は、青い顔をしてソファーに身体を埋めた。痛むのだ。彼女はいつもそうだ。月に一度はこうして使い物にならなくなる。いっその事、身ごもってくれていた方が、使えるのかもしれない。
 明日は大事な舞踏会がある。彼女にここで病づらをしてじっとされていては困るのだ。
「痛い?」
 彼女は、力なく笑った。そして首を振った。わかっているのだ、自分の立場を自分の役割を自分の任務を。わたしのその言葉がいたわりではなく、明日の予定は彼女の体調に関わらず実行するのだという事実を告げているのだという事をそれを彼女は拒否することができない事を。
 そしてわたしも知っている、彼女がそれを拒否できない事を。
 彼女の名前はパイーヴァ。男を手玉に取るクルチザンヌ、オクラナの諜報部員、エージェント。
 公爵夫人という肩書きは本当かどうかは知らない。本国に息子がいる。それが彼女がエージェントである理由。彼女は息子の事となると、いささか平静さを失う。おかげでどれだけこちらが迷惑をこうむってきたか、オクラナの大事な手駒である彼女の「理由」は諸刃の剣だ。
 彼女は言う「あなたには、わからないでしょうけれど」。わからない。わたしはただ任務を全うしたいだけだ。だから任務を妨げるものはいらないのだ。
「……っ」
 彼女が苦しそうにうめいた。そんなものはこの任務には不要だ、けれども彼女が女であることは必要だ。それもまた、諸刃の剣だ。
 任務に不要なものはいらない。わたしの下腹部の痛みも、いらない。


 そんな夜は決まって夢をみるのだ。母の夢を。
 どういういきさつかはしらないが、わたしは生まれる前からオクラナに引き取られることになっていた。都合のいい駒を育てるために。男に生まれたならエージェントにする、女に生まれたならパイーヴァのような女を武器にする仕事をさせる。オクラナは母から生まれたばかりのわたしを取り上げた。
 結局、わたしは女に生まれながらエージェントとしてオクラナに飼われている。
 生まれたときの記憶などないのに、その夢はいつもわたしが生まれたときの夢なのだ。わたしを生んだ母が泣いている。記憶などない、顔など知らない母がわたしが生まれたことを嘆いている。本来ならば、子供を生んだ喜びをその母性の感じるままに表せばいいのに、母はいつまでも泣いているのだ。その姿に、息子の写真をひっそりと抱きしめて泣くパイーヴァの姿が重なる。いやパイーヴァがあんな姿を見せるから、きっとわたしはこんな夢をみてしまうのだ。ばかばかしい。
 けれどもわたしはいつも夢の中で言うのだ。
「泣かないで、おかあさん」
 そう言えば、母の笑顔が見られるような気がして。その笑顔には、きっとパイーヴァが息子から来た手紙を繰り返し読むときの笑顔が重なるのだろうと、それを更にばかばかしいと思いながらわたしは言うのだ。
「泣かないで、おかあさん」

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06月17日(土)
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