ID:26167
マシンガン★リーク
by 六実
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■ザビエルだったり原宿だったり
 その死線が「フランシスコに最悪の事態がおこったら」だと思うのですが、それを引き換えにでないと伯爵はリンダを手にすることが出来ない(もっと言うと言い出せない)。どこまでもどこまでも「引き」の恋だけれども、その死線だけは死守している。それを踏まえた上で彼は問いかける。彼はそのライン上からからリンダに問いかける。
「それでも、あなたの心の中にはフランシスコがいるのだね」

・リンダの言う「あなたを見つめとおしていれば」という言葉がいやにひっかかって仕方なかったです。見つめ「通す」。この「通す」は相手を見つめ続けるの「通す」であり、相手を貫通する意味の「通す」であり。その言葉が重く、まるで伯爵自身をその言葉で束縛しているようにすら思えたのです。けれどもリンダの「死線」を握る伯爵もまた、リンダを束縛しているのだと。表面的には割り切った愛人関係なのに、その実はがんじがらめに互いを絡めとっているような、それぐらい深い関係性に見えたのです。見つめ通す、は相手を通して、貫いて、繋ぎとめてしまうような、そんな言葉に聞こえたのです。



・まあうっとおしい作品解釈はさておき、彩吹真央史で考えると、今回のルイス伯爵はものすごくいい役だと思いました。少なくとも私はすごく好きです。初日初見の時、最初に出てきたその歩き方の重々しさのリアルさに、一気にひきこまれました……っ。
 ちなみに私の好きなルイス伯爵は、セルバンテス伯爵邸で自由主義者の逮捕の話になったところで「我々政治家の力が足りなくて」とその場の不穏な空気をさっと変えてしまったところと、「手紙の返事を聞きにきたよ」と軽妙に冗談交じりで出てくるところです。あのひと素敵過ぎる、なんでリンダはダメなの?ってかなんで伯爵はもっと強く出ないの?大丈夫だよ!告っちゃいなよ!(女子中学生コス)という疑問から読み込んでいったら↑のような結論になって、更に重くなったという……ね?頭痛くなるでしょ?(つうかむっさんの頭がおかしい)。まあこれもそれも全部「仕様です」と答えておきます(笑)。






[続・俺的バルセロナメモ]

・それでリンダが大公に「身を投げ出す」とこの話なんですが(またそこに戻るのか)、もうひとつびっくりしたのが「フランシスコをこの国の聖職者に」って就職嘆願までしていたことなんですが!いや、だってあの場合、明らかに弱者はリンダであり、そんな要求ぶちまけている場合じゃなくね?と。……で、四回目にようやく気付いたのですが、あれは、その後バルセロナを去る自分(とルイス伯爵)を踏まえて、自分達がいなくても、フランシスコの安全が確保されるようにと、そのための敢えての嘆願だったのだなぁと。直ちに釈放されても、また大公の手にかかる可能性はあったわけで。それを聖域という、大公ですら手の届かないところへフランシスコを『繋ぎとめた』のだなぁと。

・初見からずっと「フランシスコはどのタイミングで自分の釈放の真実を知ったのだろう?」と考えていたのですが、私の結論は「即釈放」された後、ロザリアの元へ向かうまでの間。その真実を知ると同時に、彼は初めて美しい叔母上の「愛」を知ったのではないかと。

・逆に言うと、フランシスコはその時までその「愛」に気付いていなかったんだと思うんですよね(にぶちんめ)。リンダの前にいるフランシスコは「甥」でしかなく、むしろいっそ「コドモ」だなと感じました。「あんな立派になって」もリンダの前では無邪気な笑顔を見せていた。ルイス伯爵が「宮廷一の女性」と讃えるのを聞いても「ぼくのおばさんすごいなぁ」って顔しかしてなかったよ(笑)。当然、ルイス伯爵に嫉妬とかそういう感情を抱くでもなく、ただ本当に「甥」で「コドモ」だったなぁと。

・そして政治向きの話にも全く気付いていなかった。神学校を出たばかりで、世間の荒波をまだ知らない「コドモ」。何故自分が殺されるのかをロザリアが「風が吹けば〜」的に説明しても「意味がわからない」と言い放つ。そして自分の情熱のままに突き進む。周りが全く見えていない。若いといえば若い、愚かといえば愚か。そういう人物だったなと。


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11月16日(月)
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