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マシンガン★リーク
by 六実
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■あんなにやっちゃいけないと思っていたのに
んで、観れば観るほど、ラストの明智さんがどんどんどんどんかわいそうに見えてきて仕方なかったです。なんというか、単なる「喪失」ではないな、と。明智さん、というか春野明智の「喪失」は単に妹、愛するものの喪失じゃなくて、自己の喪失というか、もうそういうレベルまでいっていたような気がするんです。もっというと、元々あったものとか、手に入れたものを喪失したのではなくて、元々無かった、元々喪失していたのに「喪失」してしまった感。ちなみにここで言うところの元々喪失していたものはぶっちゃけ「生殖機能」です(ええええええ!)。これを話すと長くなる上にまとまってないので省略しますが(全部省略しろ)、とにかく春野明智は最初からどこか「欠けた者」だったんですよね。で、同じように「欠けた者」だったのがあやねちんの黒トカゲちゃんだったわけですが、黒トカゲに欠けたモノはこの世で手に入れる事ができるけれど、明智春野に欠けたモノはこの世では手に入らない、みたいな?それぐらいの深い深い喪失、あるいは欠けている者=異質、あるいは異端。結局のところ、春野寿美礼さんに相手役がいらないと思うのは、彼だけが「異端」だからだと、なんとなくすとんと落ちてしまった気がしています。
割と最初から思っていたのが、「波越、潤ちゃんのプロポーズと明智のプロポーズは別物」「波越・きよ子、雨宮・葉子の結婚と、明智・黒トカゲの結婚は別物」だったのですが、最終的には春野明智の「結婚」だけが、どこか別物だった気がします。
波越夫妻の結婚が「手に入れたもの(現実)」
雨宮ペアの結婚が「手に入れようとしているもの(現実)」
黒トカゲの結婚が「おとぎばなし(夢)でもいつか現実になる可能性があったもの」
春野明智の結婚が「では社会など忘れましょう(現実でもない、夢でもない、別次元)」
……まとまんないので、終了(うわ、超無責任)。
じゃあそれで黒蜥蜴がつまらなかったのかと聞かれれば「面白かった」と答えたいと思っています。答えは出なかったけれど、初見でいまいちと思っていたんですが、非常に面白かったです。それってむっさんが単に近代萌えだからじゃないか、っていうの禁止ー(笑)。
明智春野の黒トカゲを失ってからの絶唱が忘れられません。私にはあれがなぜか子守唄のように聞こえてくるのです。なんでだろう。
救いようの無い絶望。コドモのようにうずくまる。
だから「どうかもう一度、目覚めて」。
目覚めても、その絶望は救われはしないのだけれど。
[花組メモ:真飛聖総括]
(総括するのか)
何度も言っていますが、今のところ怒られていないので、もう一回言っておきます。
もうね、今回の何が収穫かというと「真飛さんがおっさん」これです、コレ。でもこれも何度も言っているんですが、そう思うのってホント私の個人的な主観であり、そして私的には今現時点での真飛さんへの最上級の誉め言葉なんですが絶対伝わっていない。つうか普通の真飛メイトさん(ほぼ名指しじゃないか)がダメだししているところを「そこがイイ!」って真顔で言っているんですから、ほんと、一番ダメでいけない感じに真飛さんの事を好きになっています。でもいい、それで私は毎公演ひゃあひゃあ遊べたので。
初見の感想で
>面白い事にこの「おっさん」は星組・真飛聖が成長してなった果ての「おっさん」ともまた違うんですよ。
と言ったのですが、真飛聖さんの「おっさん」にはちゃんと「かつて少年だった履歴」が残っているなぁと思いました(それが直接星組時代を指すのかはさておき)。だから素敵なんだなぁと、と素で思っています。
「リアルに少年の成長過程を歩んでいる」真飛さんは、基本設定は微妙に変われどもリアルに「おっさん」となっている。リアルだから「かつて少年だったもの」の歴史が見える。単なるキャラ立ての「おっさん」ではない真飛聖さん。キャラ立ての「おっさん」は他にもいるけれど、この「かつて少年だったおっさん」は私は真飛さんしかいないと思うのです(大きく出たなぁ)。
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05月12日(土)
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