ID:26167
マシンガン★リーク
by 六実
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■ダンディズムの反対語って?
 おんなのこを泣かしたことだって。ミルドレット、君だって俺に背中に毛虫を入れられて泣かされたはずだ。おんなのこを守るヒーローじゃない。守れずに終わった恋ばかりしてきている。
「ラル様」
 それは、単なるあこがれだ。あこがれは恋だろうか?ミルドレットはあこがれではない恋を知っているのだろうか?気づかないのか、気付いていないのか、ここにヒーローはいないというのに。
「ラル様」
 ならば、教えてやればいいのだろうか。ここにヒーローはいないことを。俺はそんな男ではないことを。あこがれは恋ではないことを、ここにはただ普通の男と女がいるだけじゃないか。
「ラル様……今夜はばあやがいないから、」
 見透かされたような挑発にドキリとした。しかしその目はやはり何も知らないように思える。やはり子供だ、子供の火遊びだ。
「……ラル様」
 仕方なく両腕を広げると子犬のように飛び込んできた。ゆっくりと抱きしめると、うれしそうに笑う。


 ヒーローなんかじゃない。
 けれども彼女にそうすがられると、俺は馬鹿げた錯覚をする。実は自分がヒーローなんじゃないかと錯覚をする。この小さな身体を守ってやれる気分になる。
 馬鹿だ。彼女の作り話に乗せられたか、それとも例の「催眠術」とやらにでもかかったか。
 ……ちくちくちく
 そうだこれはあのペテンを招く時計の針の音、
 ……ちくちくちく
 規則正しいこれは時計の針の音
 ……ちくちくちく
 これは、俺の心臓の音だろうか
 ……とくとくとく
 心臓の音にしては、早すぎないだろうか
「ラル様」
 俺は、ヒーローなのだろうか
「ラル様」
 彼女を、守れるのだろうか
「ラル様」
 守ってやりたいと、俺は思っているのだろうか
「ラル様」
 これは何だろう。
「……ミルドレット」
 呼びかけに応えて見上げた顔は、ひどく大人びた顔に見えた。彼女が俺の頬に手を添えた。
「わたしの、ラルフ」
 これはおそらく、これはきっと、
 答えを出す前に、俺はミルドレットに口づけた。



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 またしても捏造してると言われそうですが、あたしにはそう見えたのー!
 今回のしぃちゃんはなんというかSSしやすい人でした。こちらが無理矢理ドリームを詰め込むでも(これで詰め込んでないと言うのか)深読みするでも(これで深読みしてないというのか)なく。抽象的ですが、あの佇まいは一個の「ラルフ・カールトン」だったと思うのですよ。しぃちゃんでも立樹遥でもなくね。そうですね、今回はさんさんと降り注ぐ陽の光を浴びたでもなく、太陽の黒点を躍起になって探したわけでもなく、ただ当たり前のように沈む夕日の美しさに思わず一首捻ったと言う感じですかね?(意味がわからない)

 ま、うっかりシリアスなんですがラルミルは基本ラブコメです。この後「ホテルの部屋をとっておいたよハニー」になったかどうかは想像におまかせしまして、この後押しかけ女房と化したミルドレットが撮影所に乗り込んでジョニー水輝と直接対決(何の)、雌雄を決する(だから何の)っていうシナリオです。

01月11日(木)
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