ID:26167
マシンガン★リーク
by 六実
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■おしみても
 とまあこんな感じに私の中でおかっちさんの「やくしゃ」な部分が印象に残っており、私の中でも「やくしゃ」判定だったのですが……その後知れば知るほどわからなくなったというのが正直なところです。本当にやりすぎなぐらいに含んだり小芝居ったり(レクエルドの支配人は今見てもかなり笑える)(笑うな)、中日の王家の時にも思ったけれど「見せる」事を意識していないような芝居の仕方だったり(でもそれはそれで心ぐわっとつかまれたんですが)。つうか嶺恵斗さんは「わからない」というか全てにおいてアンバランスな人だったんじゃないかなぁと。無防備にエロかったり、でも時折あざとかったり、やりすぎるぐらい悪役してしまったり、やりすぎるぐらい小芝居してしまったり、舞台に立っている事がただ楽しいと幸せオーラをふりまきつつも、でもただ立っているだけじゃないいい仕事も一杯してくれた、すごい癒してもくれたし、「おーい、大丈夫かー?」と思った事も多々あったし、あれだけ恵まれた体格を持ちながらもその使いかたすらもてあまし気味にアンバランス。よく私「おかっちブーム」と称して、極所的におかっちさんに心奪われる事が何度か定期的にあったのですが(心奪われる、て)、それもまたそんなアンバランスなゆらぎにまさにひっかかってしまったんじゃないかなぁと。
(余談ながら私がダンケシェーンを観にいったのはこのおかっちブームが最高潮=つまりはおかっちさんを観たかったからです。今思うと本当行ってよかった)

 退団が発表になって、あの人が本当にいなくなっちゃうことが信じられなくて、とりあえず悲しいから萌えに走って(走るな)、ここまで来たわけですが、最後の最後でものすごく思い知らされた事があります。
 あの人、タカラジェンヌだったんだ。
 お茶会の時にも思いましたし、歌劇の最後の挨拶にも思いました。本当にここまで、これきり、終りがあるからタカラジェンヌ。嶺恵斗にきっぱりと終止符を打とうとしている姿に、打たれました。でもその姿、打ち切り方がいっそ清々しいと思いました。もちろんまだまだ続けて欲しかった気持ちはたくさんたくさんあるのですが、でもそれを超えてあの人の幕引きは本当にタカラジェンヌだった。いつまでもいられない有限の夢の国。私が観てきた芝居巧者なおかっちさんも歌の上手いおかっちさんも踊っている時にはらはら見ていたおかっちさんもヘタレだと言ってヨゴレな視点でイジってきたおかっちさんも悪役全開なおかっちさんも癒しの笑顔のおかっちさんも剣道部主将なおかっちさんもほわほわフィアンシーなおかっちさんも呉服商嶺屋の若旦那のおかっちさんもエジプトの私がカッコよく書きすぎたタレ目将軍のニコイチ相方のおかっちさんも、みんなみんな「タカラジェンヌ・嶺恵斗」の上にあったものなんだ(最後の方のはあまり気にしないで下さい)。
 当たり前、といえばそうなのかもしれませんが、けれども「タカラジェンヌ・嶺恵斗」というのがこの最後にきてくっきりはっきりうかびあがって(私のような外野の立ち位置にも)、それが本当にすごいと言うか素敵と言うか目ウロコというか、とにかくぐあんときたんです(わかりにくい)。それに涙しつつも、それ故におかっちさんの退団を受け止められたような気がしています(まあ、後できっとその喪失感に今度はぐあんとくると思うのですが)。

 史上最高の受験倍率を「タカラヅカが好き」という気持ちで乗り越えてきたおかっちさん。タカラジェンヌになってからも、まるでイチファンのように「タカラヅカが好き」と言っていたおかっちさん。そしてタカラジェンヌとして「タカラヅカが好き」と言って去っていくおかっちさん。決してスターではなかった、でもあの人は本当に本当のタカラジェンヌだったなぁと思うのです。
 そんな風に「タカラヅカが好き」と言っていたおかっちさんと同じように、今おかっちさんの事を好きだと言っている大勢の人がいることを、タカラヅカにいられて幸せだと言って感謝していくおかっちさんにこそ感謝している人たちが大勢いることを、そしてそれを惜しんでいる人たちが大勢いることを(そしてその中に私もいることを)(おまえあっちいけよ)、伝えられたらなぁと願わずにはいられないのです。



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08月13日(土)
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